カタクリと桜 競演 川崎・石蔵山【一関】
一関市川崎町門崎の石蔵山(356メートル)で、カタクリの花が見頃となっている。「春の妖精」と呼ばれる淡い紫色のかれんな花が満開の桜とともに山肌に彩りを添え、行楽で訪れる人の目を楽しませている。
カタクリは早春の頃、主に低山から山地の落葉樹林などに生える。他の草木に先駆けて芽生え、花を咲かせた後は休眠に入ることから、地上部分は3か月間ほどしか見えないという。
カタクリは9合目にある熊野神社付近に群生。斜面に散らばるようにそちらこちらに15センチほどの細い茎を伸ばし、うつむくように小さな花を咲かせている。
薄曇りの天気となった18日は車やバイクで訪れ、山頂付近を散策する人の姿があった。周辺は桜も既に満開となっており、冬の間色彩のなかった山は桜とカタクリで華やぎ、行楽シーズンの到来を告げていた。
石蔵山は古くからの信仰の山で、市中心部や栗駒山、室根山など周囲の雄大なパノラマを楽しむことができる。旧川崎村時代の1980~90年代ごろ開発が進み、桜やスギなどの苗木を植樹、県の生活環境保全林整備事業を導入し、グラススキー場や芝生公園、野外ステージ、炊事場、トイレなども整備した。近年は森林散策やレクリエーション、キャンプのスポットとしても人気を集めている。