田瀬湖面を安全に ヨットやカヌー、動力付きボート 利用ルール改定【花巻】
花巻市と遠野市にまたがる田瀬湖で増加する動力付きボート(釣りボート、水上オートバイを含む)などの安全利用に向け、田瀬ダム水源地域ビジョン推進協議会は、湖面利用の新たなルールを決めた。利用区域に変更はないが、利用時にヨット・手こぎボートは東和B&G海洋センター(東和町田瀬)などからの搬入、動力付きボートは田瀬釣り公園(同町横峰)に届け出た上での利用を求める。湖面には利用区域の境界を示す旗を立てるなどして安全利用を促す。ルールは今春の大型連休から適用する。
田瀬湖は、日本ボート協会認定のボート競技場が設けられているほか、カヌー、水上オートバイ、釣りボートなどはエリアを区切って利用が認められている。近年は動力付きボートの利用が急増。2020年にはボート競技会場にジェットスキーが侵入して大会が中断するなどのトラブルが発生している。
こうした状況を踏まえ、国や県の関係機関、両市、地域住民、田瀬湖で活動する団体の代表者からなる「田瀬ダム湖面活用懇談会」を今年3月に立ち上げ、16年に作成した湖面利用ルールを見直し、周知方法を検討してきた。
利用ルールの改定により、釣り用動力付きボートやSUP(スタンドアップパドルボート)の利用者にもそれぞれルールを順守するよう要請する。
▽ヨット・手こぎボート利用(ボート競技場)▽動力付きボート利用▽ヨット・手こぎボート優先(動力付きボート利用可)▽船舶等利用禁止―の四つある区域の境界には旗を設置し、利用エリア区分を明確化。中でもグループで利用する場合にボート所有者以外の人がルールを知らず誤侵入してしまうケースがあることから、利用者全員でのルール確認の徹底なども盛り込んだ。
改定したルールは、チラシを作製して配布するほか、既存看板を更新、搬入路付近に新たに看板を設置して周知。大会などボート競技場の利用情報なども市ホームページやインターネット交流サイト(SNS)で発信し、利用時の注意喚起につなげる。
15日に開催された第3回懇談会ではルールの見直し案を了承したほか、シーズン終了後に改定ルールに基づく取り組みを検証することを確認。同協議会事務局で田瀬ダム管理支所の浅野隆郎支所長は「実際に利用している人の話を聞いてルールを見直した。広く周知に努めたい」としている。