豊穣の秋 願い 胆沢・円筒分水工 農業用幹線へ通水開始【奥州】
胆沢平野土地改良区(及川正和理事長)の放水式は21日、奥州市胆沢若柳の徳水園で行われ、米どころを潤す農業用幹線への通水が始まった。
式には同土改区役員、来賓合わせて32人が出席。五穀豊穣(ほうじょう)と用排水の無事を祈る祝詞が奏上され、及川理事長らが玉串をささげた。
続いてあいさつに立った及川理事長は「コメ作りは生産資材高騰、米価下落と農家は厳しい状況にあるが、本土地改良区の経営理念である仕事は組合員のためにを肝に銘じ、農家組合員が無事豊穣の秋を迎えられるよう努める」と語った。
同日の通水により、円筒分水工の直径と同じ24メートルの高さとなる噴水「命水の大噴水」も開始。大噴水は11月3日まで午前10時~午後4時の毎正時に15分間噴き上がる。
21日は好天となった上、桜も見頃を迎えていることから家族や友人などで訪れる来訪者もいて、「桜も良いし、噴水も見事だ」と話しながら撮影する姿も見られた。
同土改区の受益面積は、奥州、金ケ崎両市町のうち9200ヘクタール。国内最大級の円筒分水工で茂井羅堰(ぜき)、寿安堰へと供給する農業用水を公平になるよう配分している。