花巻

賢治作品アニメに影響 故高畑さん(映画監督)との関わり説く イーハトーブセンター・岡村代表理事【花巻】

来場者が高畑勲さんと賢治作品の関わりなどについて学んだ春季セミナー

 宮沢賢治学会イーハトーブセンターが主催する2022年度春季セミナーは23日、花巻市高松の宮沢賢治イーハトーブ館で開かれた。来場者約50人が、日本のアニメーションに大きな影響を与え、18年に亡くなった映画監督で演出家の高畑勲さんと、賢治作品の関わりなどについて理解を深めた。

 高畑さんは三重県出身で、東京大文学部を卒業後、東映動画に入社。アニメーション映画の監督や演出を手掛け、監督を務めた長編アニメーション「セロ弾きのゴーシュ」が毎日映画コンクール大藤信郎賞受賞。15年には花巻市からイーハトーブ賞を受けている。

 セミナーでは「セロ弾きのゴーシュ」を鑑賞した後、同センターの岡村民夫代表理事が「高畑勲が日本のアニメーションと賢治映画に遺したもの」と題して講演した。

 岡村代表理事は、高畑さんが賢治作品から受けた影響について紹介。「太陽の王子 ホルスの大冒険」を例に挙げ、登場人物のヒルダが吹雪の中で残るシーンが賢治の「水仙月の四日」の影響を受けていることを指摘した。

 また「高畑さんは鹿(しし)踊りのはじまりのアニメ化も考えていた。完成していたら素晴らしい作品になっていただろう」と語った。

 このほか、「セロ弾きのゴーシュ」の作画を担当したアニメーション研究家のなみきたかしさんが同作品の制作秘話などを語った。

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