花巻

薬花草テンペラ画で 津島神社に奉納 盛岡・安ケ平さん【花巻】

津島神社に奉納された天井画。薬花草をテンペラ画で描いている

 花巻市東和町前田の津島神社(吉田健弘宮司)の社殿に天井画が奉納された。天井画を奉納したのは盛岡市在住のテンペラ画家安ケ平愛美さん(42)で、同神社が無病難除に御利益があることから薬花草をテンペラ画で表現した。吉田宮司(67)は完成を喜び、天井画が同神社の新たな名物になることを願っている。

 テンペラは卵の黄身や酢、顔料などを混ぜて絵具をつくり描画する技法で、主に宗教画などで使われている。安ケ平さんは岩手大大学院教育学研究科修了後、テンペラを用いた作品を制作し、本県を中心に展示会を開催している。

 吉田宮司が天井画を描いてほしいと安ケ平さんに依頼。2021年4月ごろから制作を始め、12月に完成、奉納された。

 天井画は縦横45センチの板に描かれ、全部で16枚を奉納。血行促進に効果があるクズや貧血防止となるヒマワリ、血流改善に役立つボタンなどが色鮮やかに描かれ、周りには波模様やアラビア模様などもあしらわれている。

 安ケ平さんは制作に当たり、盛岡市や花巻市などを巡りながらモデルとなる植物を取材。顔料の一部には花巻市の山で採取した土を利用している。

 「テンペラ画は経年劣化が少なく、色彩の鮮やかさが何百年と長く残る」と安ケ平さん。「見た人が心が晴れやかになり、生命力があふれるようにと思いを込めて描いた。天井画を描くのは初めてだったが、自分にとっても大きな刺激になった」と話していた。

 同神社では今夏の例大祭で安ケ平さんを招いた解説会を開催する予定。

 吉田宮司は「神社の天井画は日本画風が多く、このような洋風な天井画は珍しい。萬鉄五郎の生まれた東和町の神社にぴったり」と喜ぶ。社殿周辺では桜の植樹などの整備を進めており、「描かれている16種の薬花草を植えた花壇なども作れたら」と構想を広げている。

 観覧希望者は同神社に事前に連絡する。問い合わせは吉田宮司=0198(42)2356=へ。

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