花巻

神秘の“銀河模様” 八丁土蔵ギャラリー 門馬さん陶芸展【花巻】

味わい深い陶芸作品が並ぶ門馬さんの展示「窯+窯」

 花巻市東和町小通の門馬経臣さん(72)による陶芸展「窯+窯」は、同町の萬鉄五郎記念美術館「八丁土蔵ギャラリー」で開かれている。門馬さんが製作した窯で焼かれた味わい深い陶芸作品が会場を埋め、陶芸の魅力を来場者に伝えている。7月3日まで。

 門馬さんは20歳ごろから陶芸を始めた。1984年には自宅敷地内に小鹿通窯、2010年には同町小通地内に玄平窯を作り上げた。現在も両方の窯を使って作品を焼き続けている。

 同ギャラリーで展示会を開催するのは今回が初めてで、65点を出展。玄平窯は古い形式の焼き窯で、焼き上げる作品は釉薬(ゆうやく)を使わず、燃料の松や杉の灰が作り出す自然釉によって着色される。小鹿通窯はまきと灯油バーナー併用の倒炎式両焚窯で、この窯で焼く作品には木炭などを釉薬として使用する。

▲「原始宇宙」は見込み部分に銀河を思わせる模様が特徴

 このうち小鹿通窯で作られた茶碗「原始宇宙」は、内側の釉薬が溶け出して茶碗の見込み部分に銀河を思わせる模様が生み出されている。門馬さんは「50年以上陶芸をやっているが、こんな模様ができることなんてない」と驚く。

 まきで焼き上げることがモットーで、材料も自身で地元の山林を巡って木材を調達するという。門馬さんは「まきを使って焼くことで、電気窯では出せない色合いが出る」とこだわりを語り、「どんな作品になるか窯から出すまで分からない。それが楽しくてしょうがない」と衰えない創作意欲を見せる。

 時間は午前9時~午後4時30分。入場無料。月曜休館。問い合わせは同ギャラリー=0198(42)4402=へ。

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