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遭難者前年の5倍 県警「複数で入山を」 山菜採り・昨年4~6月【岩手】

 県警は、2021年の山菜採りシーズン(4~6月)に発生した県内の遭難事故状況をまとめた。昨季は12件(前年同期比9件増)で、遭難者は15人(同12人増)。うち負傷者は4人(同3人増)、犠牲者はゼロ(同増減なし)だった。遭難者は前年同期の5倍となり、うち7割近くが高齢者で、県警は遭難防止に向けて複数人での入山や無理のない行動などを呼び掛けている。

 月別では、4月1件、5月5件、6月6件。原因別では、道迷いが8件で最多だった。県警によると、山菜採りに夢中になるうちに現在地が分からなくなってしまうケースが多いという。続いてクマ襲撃3件。残り1件は滑落で、昨年5月に一関市の栗駒山中で80代男性が滑落し、肩などを骨折する重傷を負った。

 遭難者15人の内訳は、負傷者4人、無事救出11人。年代別に見ると、30代1人、40代、50代各2人、60代1人、70代6人、80代2人、90代1人。このうち10人が65歳以上の高齢者で、全体の約67%を占めた。

 県警は山岳遭難防止対策として▽家族らに行き先や帰宅時間を知らせる▽連絡手段として携帯電話などを携行▽食料、雨具、ライター、懐中電灯、笛などを持参▽体力、健康状態に応じた無理のない行動▽早出、早帰りを心掛ける―などを推奨している。

 行楽シーズンの大型連休で人出も増えることが予想されることから、県警地域課の工藤一真次長は「一人では入山しないようにしてほしい。複数人で入山し声を掛け合うことで、常に互いの位置を確認しながら行動するよう気を付けてもらいたい」と注意を促している。

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