奥州・金ケ崎

刀剣文化、造形美伝える 佐々木大吉、細谷重三郎作など77点 えさし郷土文化館で展示【奥州】

えさし郷土文化館で開かれている「HEART OF SWORD 郷土刀と装い」

 奥州市江刺岩谷堂字小名丸のえさし郷土文化館が主催する企画展「HEART OF SWORD 郷土刀と装い」は、同館で開かれている。江刺の刀工が手掛けた物や地元伝来の日本刀を中心に資料を展示し、当地でも育まれた刀剣文化と造形美を紹介している。6月26日まで。

 同館所蔵や江刺地域の旧家などに伝わる刀剣、つばをはじめとする刀装具など77点を集めた。

 メインの刀剣は仙台藩政時代の物が多い。地元からは、仙台で作刀を学んだ佐々木大吉、細谷重三郎らの作が並ぶ。ともに江戸時代後期、岩谷堂に拠点を置いた。佐々木は盛岡藩士による弘前藩主の暗殺未遂事件「相馬大作事件」に関わったことでも知られる。一方、細谷の本業は鉄砲鍛冶だが刀も作り、展示の大刀は約113センチで県内最大級という。

 同館所蔵の県指定文化財では、新藤源國義銘の刀と奥州舞草光長銘の短刀を展示している。

 このほか、江刺と交流した一関藩の刀工の作、平安時代に現在の一関市で発展した舞草刀の系譜を引く「寶壽(ほうじゅ)」「月山」などもあり、仙台藩領産や同藩にゆかりのある主要な種類の刀剣を一堂に見ることができる。刀装具は精緻で凝った作りが目を引き、身分の象徴として刀回りの装飾に入れ上げた武士の文化がうかがえる。

 同館の野坂晃平学芸員は「江戸時代は平和な期間が長く、装飾的な文化が伸長した時代で、仙台藩領は各地に城に準ずる藩の拠点が多く、地方にも武士がいたことが特徴。武具を通して地方の文化が見え、造形美の伝統も感じられる。地方は辺境の地ではなく、文化が発展していたことを見てほしい」と話している。

 会期中は無休で、開館時間は午前9時~午後5時。入館料は一般400円など。問い合わせは同館=0197(31)1600=へ。

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