平和の思い歌に込め　第九の会「テラ・ムジーコ」　１５日初公演へ練習【花巻】

　花巻第九の会「テラ・ムジーコ」は、１５日に花巻市若葉町の市文化会館で第１回定期演奏会を開く。新型コロナウイルスの影響で、中止や延期を余儀なくされ、２年がかりで迎える初のコンサート。日本を代表するソリストと共に、ベートーベンの「交響曲第９番」第４楽章の「歓喜の歌」を平和への思いを込めて届けようと練習にも熱がこもっている。

　新型コロナの影響で、全国の音楽団体が活動を停止する中、２０２０年３月開催予定だった東北農民管弦楽団第７回定期演奏会花巻公演の「第九」演奏で集まった合唱参加者で結成。公演の延期を経て中止が決まり、演奏機会を失ったメンバーが「自分たちだけでも練習を続けたい」「第九を響かせたい」と、関係者の支援を受けながら練習を重ねてきた。

　月３回のペースで土日を中心に同市東和町の土沢振興センターを拠点に、紫波町立中央公民館、同町のオガールプラザを会場に練習。声楽家で同会常任指揮者の太田代将孝さん（４９）指導の下、花巻市を中心に北上市、紫波町、遠野市、盛岡市の３０～６０代の会員２５人をはじめ、一般から募った１７人が参加する。

　共演に迎えるのは、日本を代表するソリストとして活躍する菊地美奈さん（ソプラノ）、小林由佳さん（アルト）、片寄純也さん（テノール）、山下浩司さん（バス）の４人。３部構成で会員によるステージ「ポラーノの広場～イーハトーヴの歌声～」、ソリストと共に演奏する「注文の多い音楽会」に続き、ベートーベン「交響曲第９番」第４楽章の「歓喜の歌」を歌い上げる。

　花巻で第九を演奏することについて太田代さんは「国際情勢が緊迫する中、賢治とベートーベンが共に持つ世界平和の精神をイーハトーヴから全世界へ発信することだ」と語る。佳境に入った練習では「やり切ったと思うには、今まだできることがある」などと気持ちを込めて指導。「演奏できることに感謝し、やるからには全力で泥臭くてもいい、一生懸命な姿を見せたい」と話す。

　午後１時開演、チケットは全席自由で１０００円（高校生以下無料）。問い合わせはテラ・ムジーコ事務局＝０９０（１０４９）３０６２＝へ。