草はみ伸び伸びと 大迫宇瀬水牧野 牛の放牧始まる【花巻】
花巻市大迫町外川目の市営大迫宇瀬水牧野で11日、今季の牛の放牧が始まった。入牧は13日まで行われる予定。初日は同市のほか、遠野市、矢巾町、紫波町などの農家から預けられた57頭が、牧草をはみながら伸び伸びと過ごした。
同牧野は標高約800メートルに位置し、広さは約300ヘクタール。放牧では林などを除く約110ヘクタールが活用される。
トラックで次々と繁殖牛が運び込まれ、1頭ずつ妊娠鑑定や採血を受けて草地に放された。牛たちは広大な牧野を元気よく駆け回り、青々と茂った牧草を食べていた。
同牧野互助会長で花巻市石鳥谷町新堀の高橋淑郎さん(74)は「9頭を預けた。ここは標高が高いため、虫の害も少ない。この牧野がしっかり管理してくれるから、多頭飼育ができる」と感謝していた。
同牧野では黒毛和牛の雌を受け入れ、最終的には160頭ほどに上ると見込まれる。牧野は10月の閉牧まで市指定管理者の市農業振興公社が管理する。
藤原秀司場長(54)は「この牧野は斜面が多いため牛の足が強くなるが、けがのリスクもある。病気やけが、ストレスがないように最後までしっかり管理していきたい」と話していた。