花巻

歓喜の歌 高らかに 2年越し初定演 第九の会【花巻】

「歓喜の歌」を高らかに歌い上げた花巻第九の会初の定期演奏会

 花巻第九の会「テラ・ムジーコ」の第1回定期演奏会は15日、花巻市若葉町の市文化会館で開かれた。会員や公募で集まった県民ら合わせて約50人と日本を代表するソリストが共演し、ベートーベン交響曲第9番第4楽章の「歓喜の歌」を高らかに歌い上げた。

 第九は、2020年3月に開かれる予定だった東北農民管弦楽団定期演奏会花巻公演で公募により集まったメンバーで演奏される予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期、中止を余儀なくされた。演奏機会を失ったメンバーが会を発足させて練習を継続させたが、コロナ禍で中断したり、会場の確保に奔走したりしながら、晴れの舞台にこぎ着けた。

 共演したのは菊地美奈さん(ソプラノ)、小林由佳さん(アルト)、片寄純也さん(テノール)、山下浩司さん(バス)ら。3部構成で会員による合唱、ゲストによる名曲ステージに続き、「理想郷イーハトーヴ」と題し世界平和への思いを込めて「歓喜の歌」を熱唱した。

 言葉の意味を理解し、それに自分の気持ちを乗せて聴く人に伝わるよう練習を重ねてきた高橋久子さん(73)=同市山の神=は「大満足。気持ちが伝わる歌い方ができた。また第九の舞台に立ちたい」と胸いっぱいの様子で語った。

 声楽家で同会の常任指揮者を務める太田代将孝さん(49)は、2年がかりで迎えた第九の演奏に「感動しかない。よくここまで来ることができた。助けてくれた人も多い」と感謝し、「100回のレッスンより1回の本番。これからぐっと伸びる」と次のステージに向け会員らにアドバイスした。

 会場には市内外から400人を超える聴衆が詰め掛けた。合唱経験のある上山なお子さん(70)=同市大迫町=は友人の出演を見届け、「(コロナ禍で)日頃の練習が大変だったと思う。まさに歓喜の歌であり、歌に込められた気持ちを堪能した」と拍手を送っていた。

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