一関・平泉

南極の石 研究に没頭 妻訪れ思い出語る 故矢内さん特別展 東山・賢治のミュージアム【一関】

石と賢治のミュージアムで開かれている「南極の石展」を訪れた矢内陽子さん(中央)と佐藤由幸さん(右)。左は菅原館長

 一関市東山町の石と賢治のミュージアム(菅原淳館長)で開催中の特別展「宝石の大陸 南極の石展~矢内桂三 南極探査の記録~」に展示している資料を貸し出した元国立極地研究所助教授、岩手大工学部教授の矢内桂三さん(2018年死去)の妻陽子さん(74)=盛岡市=が11日、同ミュージアムを訪問。特別展を企画した佐藤由幸さん(65)=一関市藤沢町保呂羽=と展示会場を見学し、南極で隕石の採集や研究に打ち込んだ矢内さんをしのんだ。

 特別展は生前、矢内さんと出会い感銘を受けた鉱物愛好家の佐藤さんが2021年から陽子さんに依頼。約20年間にわたり南極の隕石の研究に携わった矢内さんの自宅に保管している資料の一部を借り受け、22日まで開催している。

 11日は陽子さんと佐藤さんが菅原館長の案内で特別展の会場やミュージアム内を見て回り、矢内さんの思い出なども語り合った。

 特別展の開催に向けて南極の石の洗浄や運搬などに奔走した佐藤さんは「(矢内さんが自宅に設けていた)月の石・火星の石展示館を初めて訪れた時も矢内さんは丁寧に案内してくれた」と振り返り、「南極の石を展示できてうれしい。後で隕石などの展示もできたらいいね」と感慨深げ。

 石を貸し出した陽子さんは「主人は本当に石が好きで定年後は石の博物館をつくるのが夢だった。こうして自分が集めた石を皆さんに見てもらい喜んでいると思う」と感謝していた。

 矢内さんは福島県出身で最年少で第9次南極観測隊に参加。以後何度も南極に渡り、隕石の探査や採集、研究に貢献。その後は盛岡市高松に住み、月の石・火星の石展示館を開いて南極の隕石などを公開した。

 ミュージアムの開館時間は午前9時~午後5時。問い合わせは同ミュージアム=0191(47)3655=まで。

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