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久慈沖で可能性調査 東北電、浮体式は初 洋上風力発電

 東北電力(仙台市)は、フランスの洋上風力発電事業者「BWイデオル」と、久慈市沖で浮体式洋上風力発電事業の可能性調査を開始した。両社は2022年度末まで、机上調査を中心に事業規模などの検討を進める。東北電が風車を海に浮かべる浮体式洋上風力の事業化に向け調査を行うのは初めて。

 久慈市沖は21年9月、再エネ海域利用法に基づき国から洋上風力の導入が将来的に有望視される「一定の準備段階に進んでいる区域」に指定されている。同社は、このほかに風況が良好な海域で、同市が独自に関連する検討委員会を設置し同発電の早期普及に向けた検討を進めるなどの動きも踏まえ、久慈市沖が事業化に向けて有望な地域とみて調査に着手することにした。

 これを受け、両社は11日に調査を開始。22年度末までに港湾や海象条件、設備設計など共同事業化に必要となる項目について調べる。

 イデオル社は、技術面も含め浮体式洋上風力発電に関わる豊富な知見を持つ企業。浮体の中央をドーナツ形に空洞化することで洋上の浮体の揺れを抑制する、同社のダンピングプールという技術を使うことを想定。小型でシンプルな形状のため施工性や設置コスト面で優位とされる。

 東北電がこれまでに取り組んでいる洋上風力に関する案件は、いずれも海底に設置した基礎に固定する着床式。うち秋田県の秋田港・能代港洋上風力発電については、事業化に向け建設工事が進められている。

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