奥州・金ケ崎

25億1554万円を追加 一般会計補正案公表 奥州市

 奥州市は23日、政策的事業など25億1554万2000円を追加し、歳入歳出総額618億3527万6000円とする2022年度一般会計6月補正予算案を公表した。骨格予算として編成された今年度当初予算に、倉成淳市長が政策的事業などを追加したもの。新規は証明書交付手数料のキャッシュレス決済サービス導入事業、スマート窓口事業、移住・定住促進事業など25事業で総額3億1564万円。一方で基礎的財政収支(プライマリーバランス)は22億円の黒字を見込むという。倉成市長は「財政の改善傾向にあり、奥州市のプライドを取り戻す取り組みを積極的に進める」としている。

 同市の今年度当初予算は3月に市長選があり、骨格編成が行われた。6月の肉付けでは、市長直轄プロジェクト、市総合計画に搭載されている二つの戦略プロジェクト、六つの大綱に沿った事業を新規、または拡充して計上したほか、新型コロナウイルス感染症対応事業を追加計上した。

 戦略プロジェクトでは、「誇りと幸せを実感できるまちづくり(人口プロジェクト)」が旅行商品造成支援、新規就農者支援、不妊治療費助成、妊産婦応援給付金給付、移住・定住促進、中高連携など3億657万3000円、「世界へ発信するまちづくり(ILCプロジェクト)」が751万9000円。

 新規では、就任直後の倉成市長が言明していた「窓口の待ち時間短縮」に向け、転入、転出などの情報をスマートフォンなどで事前入力できるスマート窓口システム導入を図る「スマート窓口」に4424万4000円を計上。さらに窓口の証明書交付手数料へのキャッシュレス決済を導入する「キャッシュレス決済サービス導入」に1274万4000円を盛る。

 また、県外在住の20~30代同市出身者とのオンラインミーティングを開催して市内高校生との交流プログラムを策定し、市内2高校で実践する「移住・定住促進」には930万6000円を追加する。

 補正後の一般会計予算規模は、21年度当初と比べると9・5%の伸び。普通建設事業費、公債費の増加が要因という。

 またプライマリーバランスは、基金取り崩しや市債の借り入れを抑制した結果として22億円の黒字。さらに22年度末の起債残高は21年度末との比較で39億9000万円の減となる見込みとなっている。

 今回の肉付けに当たって倉成市長は「複数の項目をまとめることで効果を大きくする。工業団地の広がりにより、若年労働者が増えて定住対策、子育て世代に住みやすいまちを目指し、さらに高校生の声を聞いて若者の定住につなげるというイメージ。点から線、線から面へと展開させていきたい」と語った。

 また「閉塞(へいそく)感を打ち破る一つの方策として財政の見える化を考えている。財政を立て直す基盤はできていて後はマインドだと思う。改善傾向を見える化し、奥州市民としてのプライドを取り戻す取り組みを積極的に進めたい」と意欲を語っている。

 同補正予算案は6月に予定されている定例市議会に提出される。

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