一関・平泉

産地振興へ願い込め 5銘柄に42点出品 市乾しいたけ品評会【一関】

5銘柄に42点の出品があった第8回一関市乾しいたけ品評会

 第8回一関市乾しいたけ品評会(同実行委主催)は25日、同市大東町摺沢の東磐木材流通センターで開かれ、5銘柄に出品された計42点の審査結果が決まった。27日には出品物の展示と市内産の乾シイタケの販売会が同市末広1丁目のJAファーマーズいわて平泉で開かれる予定で、広く市内産のしいたけの魅力をPRする。

 東京電力福島第1原発事故を受け、放射線物質が広範囲に拡散したことで、シイタケ栽培に活用される原木やほだ木が汚染されるなど生産環境に大きな被害を受けたことから、同審査会は東日本大震災後の2011年5月に第6回を実施して以降、21年に再開されるまで10年間行われていなかった。実行委によると出品数は昨年と同じだが出品者数は3人増えて35人、審査銘柄も昨年より一つ増え、「天白どんこ」「茶花どんこ」「どんこ」「こうしん」「こうこ」の5銘柄となった。

 審査は県南広域振興局農政部一関農林振興センターの鈴木暁之所長を審査委員長に計5人の審査員が、形状や大きさ、香気などから優等賞と1~3等賞などを選定したほか、6月7日に開かれる第51回県乾しいたけ品評会審査会に38点を出品することを決めた。

 昨年に引き続き出品した大東椎茸(しいたけ)産業推進協議会長の岩渕謙一さん(73)は「大事な時期に気温が高くなるなど、異常気象の影響もあり栽培が難しかった」と振り返った上で、「放射能の問題のほか、市場では安い海外産があることで生産者には厳しい状況だが、品評会で評価されればやる気にもつながるし、消費者への宣伝にもなる」と話していた。

 審査後の好評で鈴木委員長は「出品数は昨年と同じだが、昨年出せなかった人の出品もあり、品評会が生産者の方々の励みになっているのではないかと思っている。一関市の特産品であるシイタケのますますの振興のため関係者のご協力をお願いしたい」と語っていた。

 実行委によると、市内のシイタケ栽培の生産者は10年には357人いたが、現在は47人にとどまっているという。

 主な審査結果は次の通り。(敬称略)

 【天白どんこ】▽1等賞=佐藤新治(一関市大東町摺沢)▽2等賞=及川千里(同町中川)岩渕祐一(同市弥栄)

 【茶花どんこ】▽優等賞=菊池俊秋(一関市大東町大原)▽1等賞=佐藤義房(同町摺沢)▽2等賞=岩渕謙一(同町曽慶)佐々木和典(同町中川)▽3等賞=菅原弘一(同町曽慶)菊池美穂(同町大原)岩渕ほの子(同市弥栄)

 【どんこ】▽優等賞=青柳妙子(一関市大東町摺沢)▽1等賞=菊池俊秋(同町大原)▽2等賞=青柳博昭(同町摺沢)

 【こうしん】▽優等賞=岩渕謙一(一関市大東町曽慶)▽1等賞=佐々木久助(同町中川)▽2等賞=岩渕貴史(同町曽慶)岩渕豊子(同)▽3等級=岩渕敏子(同)

 【こうこ】▽優等賞=岩渕豊子(一関市大東町曽慶)▽1等賞=青柳博昭(同町摺沢)▽2等賞=菅原隆儀(同市室根町津谷川)石川秀喜(同市萩荘)▽3等賞=小岩良雄(同市弥栄)高橋正志(同市東山町田河津)

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