古里思い出す味 堪能を シードル、白ワイン初醸造 きょう発売 もんのすけ農園【花巻】
花巻市南万丁目のもんのすけ農園(菅原徳悟代表)の醸造所で、初めて仕込んだリンゴの発泡酒シードルとワインが、26日に市内酒販店などで発売される。中でもシードルは、生まれ育った地の果実を酒にしたいと思い描き、自園栽培のふじを使用して醸造した第1弾。菅原代表(40)は「多くの人に助けてもらいながら醸造し、瓶詰めまですることができた。シードルは場所や場面にこだわらず気軽に飲めるもの。多くの人に味わってほしい」と話す。
市内で福祉関係の仕事をしていた同市出身の菅原代表は、20代の頃にイタリア帰りの友人と飲んだワインや、ワイン談義がきっかけで、生まれ育った地で栽培した果物を酒にしたいと考えるようになった。
5年ほど前に新規就農し、リンゴ畑30アールから始めた栽培面積は70アールに増え、現在は同市南万丁目と上根子雄鳥地内でリンゴやワイン用ブドウを中心に栽培している。
2018年には自園栽培のリンゴでシードルの委託醸造を始め、酒類販売業免許を取得して販売を開始。醸造技術や知識を習得しながら、21年10月には花巻クラフトワイン・シードル特区を活用して酒造免許を取得し、醸造所を立ち上げてシードルとワインの自家醸造を開始した。
初めての醸造に菅原代表は「ついに始まった」という感動とともに、「これまでに学んだ知識や技術が実際に醸造することで裏付けられ、納得することが多かった」と手応えを語る。
農園名であり、醸造所名の「もんのすけ(門之助)」は菅原代表の実家の屋号。「先祖代々暮らしてきた花巻で農業を営み、果実酒を通じて古里を思い出すような味わいを届けたい」という願いが込められている。
発売されるのは、自園栽培のふじを原料に醸造したシードル「CIDRE2021」と、大迫産シャルドネ300キロを購入して仕込んだ白ワイン「CHARDONNAY2021」の2種類。価格はいずれも1本750ミリリットル入りでシードルが2200円(税込み)、ワインが2750円(同)。
醸造所をはじめ、同市のわかば酒店、猿舘酒店、盛岡市の吟の酒きぶねなどで取り扱うほか、28、29の両日に花巻市大迫町で開催される「日本ワインフェスティバル花巻大迫」にも出展する。