北上・西和賀

半導体産業の現状理解 黒沢尻工高で出前講座【北上】

本県の半導体産業などを学ぶ黒沢尻工高機械系3学科の3年生ら

 県立黒沢尻工業高校(佐々木直美校長)の機械系3学科の3年生を対象とした「いわて半導体アカデミー出前講座」は27日、北上市村崎野の同校で開かれた。生徒83人が就職の心構えや半導体産業に理解を深め、進路選択の参考にした。

 岩手大生産技術センターの梅木和博特任教授が講演。企業の採用に関する情報では、人工知能(AI)やIT(情報技術)の関連業務に従事する人、中途採用で即戦力を求める企業が増えていると現状を語った。

 日本社会は、必要な職務内容に適した技術、経験のある人を採用する「ジョブ型雇用」に移行していると説明した上で、転職については「同じ会社で働き続けるとスキルが上がっていくが、転職するとまた元に戻ってしまうのでジョブ型に対応しづらい」と指摘。本県の県民平均給与額を上げるためには「スキルを上げること」「ナンバーワン技術を持った中小企業の育成」が重要と説いた。

 就職先を選択するに当たっては、会社訪問してあいさつした際の応対を見るべきとし、「何の反応もない会社、暗い会社はやめた方がいい」とアドバイス。テーマの半導体産業については、市内の関連企業の事業内容や製品などを紹介した。機械科の藤原玄哉さん(17)は「社会人としてスキルアップすることが大切だと感じた。就職する会社を選ぶときには、社内の雰囲気を見ることも意識したい」と話していた。

 同校によると、今春卒業生のうち半導体関連企業に就職したのは34人。講座は半導体に関する知識や活用例などを学ぶのが狙いで、23日は電気系2学科、土木学科の3年生が受けた。

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