奥州・金ケ崎

専門家が被害調査 歴史的建造物 旧安倍家住宅など 福島沖地震【奥州】

旧安倍家住宅の被害状況を確認する調査チーム

 3月16日に発生した福島県沖を震源とする地震で奥州市の歴史的建造物に被害が出たことを受け11日、市内で建築の専門家による被害調査が始まった。独立行政法人国立文化財機構の文化財防災センター(奈良市)を主体とした官民の調査チームには、県南地方からも多くのメンバーが参加。本県での実施は初めてで、奥州市は調査結果を修復に生かす。

 同センターは3月11日に日本建築学会、日本建築士会連合会、日本建築家協会などと協力協定を締結。災害後の迅速・体系的な被害状況調査や技術支援を実施する枠組みを整えた。

 3月の地震で同市では震度5強を観測して歴史的建造物が被災し、県を通してこの調査を打診。▽旧安倍家住宅(国有形文化財登録見込み物件含む)▽高野長英旧宅(国史跡含む)▽後藤新平旧宅(県有形文化財)▽旧内田家住宅(市指定有形文化財)―の内外観調査と、他31件の外観調査を受ける。

 初日は同センターをはじめ、県や特別講習を受けた県建築士会ヘリテージ(遺産)マネジャーら26人が参加。建築士会奥州、花巻、北上、一関各支部の関係者も集まった。調査に多くの小チームを配置したのは、同市水沢字日高小路の旧安倍家住宅。土蔵の外壁が崩れ落ち、屋敷も床が浮き上がるなどの被害が出ていた。調査員は被害箇所の状況や部材などを記録し、修復への所見をまとめた。

 同様の調査は今回の地震で震度が大きかった福島、宮城両県で既に実施されている。同センターの小谷竜介文化財防災統括リーダーは「建造物関係は専門的で外からは手が出しにくい世界だったが、ヘリテージマネジャーらが調査に行ける体制ができた。比較的小規模な被害でも調査の利用を検討してほしい」と話していた。

 内外観調査は12日まで。外観調査にも今後2カ月以内に取り組む見通し。同市は2次調査までを依頼し、チームからの調査報告を基に効率・合理的な修復や優先順位などを検討する考え。

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