北上・西和賀

豊かな自然次代へ 巨木の会20周年記念式【北上】

活動のさらなる充実を誓い合った「きたかみ巨木の会」20周年記念式
20周年を記念しギンドロの苗木を植えた「きたかみ巨木の会」会員ら

 北上市を拠点に名木探訪や樹木保全などに取り組む「きたかみ巨木の会」(平賀昭士会長)は19日、同市和賀町竪川目の和賀地区交流センターで創立20周年記念式を開いた。会員らはこれまでの歩みを振り返りながら、次世代への継承と活動のさらなる充実・発展を誓い合った。

 同会は、公民館行事の一環として行われた巨木巡りをきっかけに2001年5月に発会。市内外の巨木・名木を巡る探訪会や観察会、草刈り作業など保全奉仕活動のほか、一般市民を対象とした写真展や交流会、ハイキングなど精力的に活動を展開している。

 北上の豊かな自然景観を次世代に引き継ぐことを願って、北上巨木マップやガイドブックを制作。会員向けに月2回発行している会報は250号を超え、調査研究の活動内容などを紹介する機関誌「姥杉」も21年に発刊19号を数えた。

 20周年記念式には会員と来賓ら約40人が出席。「北上巨木賛歌」の斉唱に続き、平賀会長が、長年にわたり同会の運営に協力してきた菊池憲一さんと髙橋栄美子さんを表彰した。

 平賀会長は「設立から『木と人が共に育つ』ことを願って活動を続けてきた。先日も市立和賀西小の児童が姥杉ハイキングを楽しんだが、将来、自然に関わる仕事に就いてくれないかなと期待している。(20周年記念式が)コロナ禍で1年遅れとなったが皆さんのおかげで開催でき感謝している」とあいさつした。

 会場では活動の歩みをスライドで紹介したほか、機関誌の展示、姥杉ハイキングに参加した児童の絵画や俳句なども飾られた。

 同会では現在、20周年記念誌発刊に向け準備を進めている。

◇  ◇

 きたかみ巨木の会は20周年記念式に先立ち、北上市和賀町山口地内の「野の聖 慶念(きょうねん)の森」で記念植樹を行った。

 植樹したのは宮沢賢治が好んだ落葉高木ギンドロで、平賀昭士会長ら出席者約20人が根付け祈願をした後、代表者4人が仮植えした苗木の根元にスコップで丁寧に土をかぶせた。

 慶念の森は、福祉の先駆者として江戸時代末期に活躍した僧侶・慶念坊(1820~71年)にちなんで整備を進めている山林で、同会では2016年にも15周年を記念してスギとイチョウの苗木を植えている。

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