一関・平泉

「須川愛」で看板作製 山頂記念撮影に真柴・小原さん 小型、持ち運び用【一関】

自作した「須川岳」の中型看板を手にする小原さん(左)と小型看板を持つ岩井さん

 一関市真柴の小原昭彦さん(59)は、岩手、秋田、宮城の3県にまたがる栗駒山(1626メートル)の本県側の呼称「須川岳」と彫った看板を自作した。看板は持ち運び用に作り、小原さんがその都度持参して他の登山者との記念撮影時など「須川」山頂での思い出作りに活用している。

 きっかけは、市観光協会のボランティアサポートなどを務める小原さんが、「栗駒山山頂には『栗駒山』という標柱はあっても、『須川』の表示がない」という声を耳にしたことからで、自ら材料をそろえて看板を作ることにした。

 当初作製したのは、横40センチ、縦20センチほどの中型看板2枚。木の板をのこぎりでカットして栗駒山山頂、笊森、東栗駒山の頂上を作り、一関側から見た須川岳のシルエットを再現した。表面には「須川岳」「1626m」と彫られている。完成後は仲間との登山やツアーでの記念撮影に活用していたが、重量が負担となったため、横25センチ、縦8センチ程度の小型看板を作り、軽量化を図った。

 今月19日に開催した市観光協会の須川登山ツアー時にもボランティアサポートとして参加した小原さんは、小型看板を持参してツアー客と山頂で記念撮影を楽しんだ。同ツアーに同行した登山ガイドの岩井美裕希さん(31)は「一関から見た時のシルエットが『須川岳』だと呼びたくなる、ぴったりの看板。小原さんの須川への愛が伝わる」と話した。

 現在、雪山シーズンも含めて年に40回ほど栗駒山に登っている小原さんだが、2012年ごろまでは年1回登山をする程度だったという。「他の山に紅葉の時期に登って、どこに行っても赤くないのに驚き、須川が特別だと分かった」と、紅葉の季節には山一面が真っ赤に染まる様子を「神の絨毯(じゅうたん)」とも称される、栗駒山の魅力にどっぷりとはまった。

 小原さんは「須川の紅葉の良さは、地元の人の方が知らない。地元にこれだけいいエリアがあるので、保全と活用をして誇れるエリアにしていけたらいい」と「須川愛」を語っている。

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