一関・平泉

3年越しで“夢舞台”立つ 全国講習会 本県唯一参加 アマ野球公認審判員小野寺哲さん・千厩【一関】

3年ぶりとなった全国審判講習会に本県で唯一参加した小野寺さん
技術伝えたい

 県野球協会に所属するアマチュア野球公認審判員の小野寺哲さん(48)=一関市千厩町千厩=は、今夏の全国高校野球選手権地方大会に向け、兵庫県の阪神甲子園球場で開かれた全国審判講習会に本県で唯一参加した。新型コロナウイルスの影響で前回、前々回と中止となった講習会。3年越しで“夢舞台”に立った小野寺さんは「野球少年だった自分にとっても憧れの場所で、本当にすごかった。公正なジャッジのため、甲子園で学んできたことを岩手にフィードバックしたい」と意気込んでいる。

 小野寺さんは同市藤沢町出身。県立千厩高校時代には毎日のように白球を追い掛け、甲子園を夢見る球児だった。20代の頃に勤め先からの勧めでリトルシニアチームの審判員になったのが始まり。30代で県協会に登録して3級となり、数年で2級を取得。5年ほど前には全国大会にも出場できる1級審判員となった。

 続けるうちに「ジャッジへの自信がつき、野球をプレーするよりも審判の方が楽しくなってきた」と心境に変化が。スキルも上がり脂が乗ってきた2年前、全国講習会への参加が決まっていたが、コロナ禍で中止になった。2021年も連続で取りやめとなり、今年ようやく開催が実現した。

 47都道府県から48人が参加。4月30日と5月1日の2日間、甲子園の土を踏みながらジェスチャーや球審の基本動作、打球への反応などをみっちりと学んだ。小野寺さんは「甲子園の広さを実感したし、応援で声がなかなか相手に届かない状況でも裁かなければいけない大変さを身を持って体験できた」と振り返る。

 7月8日開幕の同選手権岩手大会を前に、来月初めには県内の審判員へ技術を伝える講習会を行う予定で、小野寺さんは「何よりも選手たちがけがなく、スピーディーに気持ち良く試合ができるよう、『会話をしながら丁寧に』。これを伝えたい」と引き締まった表情。フレンドシップ、フェアプレーなどの意味が込められた日本高野連の「F」マークが胸で誇らしげだ。

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