北上・西和賀

リーダー像、心構えは 管理職3人、事例紹介 女性のキャリア形成支援プログラム 岩手大【北上】

家庭、子育てとの両立の労苦や管理職の心構えを語る(右から)阿部さん、島津さん、野村さん

 岩手大主催の2022年度「女性のキャリア形成支援リカレントプログラム」は8日、北上市生涯学習センターで開かれた。各事業所で管理職を務める女性3人が自らの事例を紹介し、家庭や子育てとの両立の労苦や、管理職としての心構えについて語った。

 同大では県内事業所で働き、将来リーダーとして期待される女性を対象に同プログラムを今年度も5~10月に5回コースで開いており、2回目の同日は会場参加とオンライン合わせて18人が参加した。

 ガイダンスに続き、半導体用金型部品製造・阿部製作所(同市北工業団地)専務取締役の阿部紀子さん(59)、同市会計管理者兼会計課長の島津英子さん(55)、JR東日本盛岡支社北上駅副駅長の野村久美子さん(49)が事例紹介した。

 阿部さんは「20年前(取引に来社した)男性社長に疑問点を指摘したら、『あんたは専業主婦でもしてろ』と言われた。女性へのバイアスがあるのでは。油が飛び散り重たい仕事だが、女性1人がリーダーに昇格した」と語り、島津さんは「採用された30年余り前は圧倒的に男性が多かったが、今は市職員で管理職の女性の割合が15%に増えた。女性部長職の先輩がいてプライベートなことも相談できた」と説明。野村さんも「入社した30年前はほとんど女性はいなかったが今は駅員、車掌も女性が多くなり管理職としても活躍している」と、時代の変化を語った。

 いずれも結婚、出産を経て家事や子育てと両立。阿部さんは「3女を出産し保育園送迎、家事、実母の介護と大変だったが、信頼できる仲間もいた。介護、子育てに直面し真っ暗になってもいつかは抜ける」とアドバイス。島津さんも「3人の子育てに仕事、家庭の両立に困惑し完璧にこなそうと思っていたが、忘れたり、失敗したりする自分も見詰め直して楽になった」と振り返り、子供2人の子育てに奔走した野村さんも「病気がちになったり悩んだりもしたが、夫が夕飯を作ってくれたり、上司もサポートしてくれてありがたかった」と感謝した。

 理想のリーダー像について、阿部さんは「日々の言動から信頼関係を築くこと」、島津さんは「周りと一緒に働きやすい環境を育むことが大事」と述べ、野村さんも「人とのつながり、コミュニケーションを大切にしている」と心構えを示した。

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