花巻

花巻駅 半橋上駅見直し案示す 機能縮小し事業費縮減 9月にも市民説明会 市、追加調査結果公表

半橋上駅案のイメージパース。実際の外観や色、デザインは基本設計段階で検討する

 花巻市は13日、市議会議員説明会を開き、JR花巻駅橋上化・東西自由通路整備検討に係る追加調査の結果を公表した。半橋上駅案については自由通路の延長を短縮、ホームエスカレーターを取りやめ、駅舎・駅機能のコンパクト化により事業費縮減を図る一方、西口トイレ設置、東口自由通路階段の形状変更を追加する見直し案を示した。9月にも市内全域で説明会を開き市民の意見を聴く。

 追加調査は、市民の要望や意見、JR東日本のコスト縮減の提案などを踏まえて2021年8月に着手。線路の東西を自由通路で結び、線路東側の地上2階部分に改札口を造る半橋上駅案の概略設計の見直しと事業費の再積算、線路上空に中央改札口を造る橋上駅案の検討、西口駅前広場の整備方針の検討、自由通路整備に必要な用地や西口駐車場等候補地の調査をJR東などに委託して行い、今年6月までに完了した。

 半橋上駅案については自由通路を5メートル短縮し、通路と駅舎を支える杭の配置を見直したほか、ホームエスカレーターを取りやめ、駅舎規模を縮小、改札内トイレを多機能トイレのみとするなどして費用を縮減。一方で要望のあった西口トイレを追加、自由通路東口の出入り口が駅前広場中央になるよう折り返し階段を採用したことにより費用が膨らみ、事業費(物価変動分を除く)は直近の案に比べ8000万円減の約32億7000万円と試算した。

 橋上駅案については、自由通路の機能は半橋上駅案と同じで、線路上空の駅舎面積を縮小することにより費用を削減し、事業費(同)は約33億5000万円と試算した。

 20年までの物価変動を加算した概算事業費は半橋上駅案で約34億4000万円、橋上駅案で約35億9000万円。国庫補助金と合併特例債の活用により市の実質負担は半橋上駅案で5億6800円、橋上駅案で5億9100万円ほどを見込む。施工計画についても仮駅工事と本体工事の一部並行実施等により実施設計から事業完了まで5年以内に収めることができるとした。

 このほか事業費を抑える選択肢として自由通路の上り専用エスカレーター取りやめや直階段の採用、西口公衆トイレの取りやめなどを挙げ、最大で実施設計費分を含め計2億8000万円の縮減が可能だとした。

 西口駅前広場の整備については三つの整備案を作成。整備費用を最小限に抑え、現在のロータリーの形状を保ちつつ一般車の一時停車場所14台分とタクシーの待機場所4台分を確保、タクシー乗り場(1台分)とバス乗り場(3台分)、障害者用フリー乗降スペースを設け、広場隣接地に新たに駐輪場を整備する第1案、第1案の待合機能(屋根)を拡充した第2案、さらにロータリー範囲を最大限確保し、待合機能を拡充した第3案を提案する。

 調査結果を含めた整備概要は市広報やホームページに掲載、市民説明会や団体等への説明会も随時開催する予定。市建設部の鈴木之部長は「東西の人が安全に行き交うことができ、まちの活性化につながる整備を進めたい」と話している。

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