北上・西和賀

麻製品、氷削器 避暑の工夫 先人用いた道具展示 北上市立博物館

先人たちが避暑のために使った道具や工夫が紹介されている北上市立博物館のテーマ展

 北上市立花の市立博物館で、テーマ展「避暑」が開かれている。電化製品がない時代に先人たちが夏に使った道具を展示し、暑さを和らげる四つの工夫を紹介している。8月31日まで。

 「直射日光を避ける」では、麻で作られ風通しが良く、水漏れにも強いため夏の農作業で着用し「ハダッコ(きござ)」を出展している。家に直接日差しが入らないよう、つる性の植物を植え「緑のカーテン」とし、大きく育ったユウガオの実を煮物にすると喉越しが良く、夏バテ防止に役立ったことも示している。

 「冷たい物を食べる」では、かき氷を作るため氷を薄く削る「氷削器」、寒天の塊を食べやすい太さに切る「天突き」が並ぶ。ナス、トマト、キュウリといった夏野菜は体の熱を取り、喉の渇きを癒やす効果があり、昔は小川の流水に浸したり井戸につるして冷やしたことなどを紹介している。

 また、「ぬらす+あおぐ」「涼しく寝よう」では、ひんやりとした陶製枕、網戸の役割を果たした麻の布、うちわなどを展示した。水でぬらした手拭いで体を拭いたり、首筋をうちわであおいだりすると熱が奪われ涼しさを感じることや、雨戸を開放し風通しを良くし、虫よけとして蚊帳を張って寝ていたこともパネルで記されている。

 電力需給逼迫(ひっぱく)、エネルギー価格高騰で省エネが求めれる中だけに、川村明子主任学芸員は「便利な電化製品がない時代にどう暑さをしのいでいたか、先人たちの知恵と工夫を見て参考にしてほしい」と呼び掛けている。

 開館は午前9時~午後5時(8月22、23日休館)。観覧料は一般500円、高校生240円。小中学生は170円だが同市と奥州市、金ケ崎町、西和賀町在住者は無料。

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