花巻

花巻人形 由来、特徴は 小原さん(市博物館学芸係長)解説 湯口地区・郷土史講座

花巻人形の創始や特徴などについて理解を深めた湯口の郷土史講座

 湯口地区コミュニティ会議主催の2022年度第1回「湯口の郷土史講座」は17日、花巻市円万寺の湯口振興センターで開かれ、地域住民が花巻人形の由来や特徴などに理解を深めた。

 地元を知ることで湯口の良さを再認識し、住むことへの誇りとより良い地域にしようとする気持ちを育もうと、16年度から開設している講座。今回は第6ステージ(22~24年度)の初回で、年2、3回のペースで計8回を予定する。

 初回のテーマは、京都の伏見人形や仙台の堤人形の流れをくむ土人形「花巻人形」と粘土。市博物館学芸係長の小原伸博さんが、花巻人形の由来や制作工程、制作に携わった人々、人形に用いられた土、人形の特徴などを解説した。

 花巻人形の創始は享保年間(1716~36年)にさかのぼると伝えられるが、確認できる最古の史料は1782(天明2)年のへら書きがある人形型であることを紹介。土に関しては四本杉産(現同市南万丁目)の粘土が使われ、人形の特徴については赤と青(紺)、緑色が主体で中でも赤が多用され、梅や桜、ボタンなど花柄模様が華やかさを演出していること、内裏びなをはじめ信仰や縁起物、歴史上の事物、風俗、動物など多彩な題材を取り上げていることなどを示した。

 市博物館では現在約3500点もの人形を所蔵。制作者ごとに分類し特徴を分析していることや、彩色の素材から制作時期を割り出す調査を17年度から始めたことも紹介した。

 同会議教育部会の佐々木優樹部会長は「花巻人形は歴史があり、華やかさのあるもの。子供たちにも伝えていきたい」と話していた。

 次回は10月ごろに予定し、世界遺産「明治日本の産業革命遺産製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産の一つで釜石市の橋野鉄鉱山の高炉に使われた耐火レンガと花巻との関わりについて学ぶ。

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