花巻

落下実験 工夫重ね 模擬衛星活用しWS 花巻北高

製作した模擬人工衛星の落下速度などを確かめる生徒たち

 花巻スペースプロジェクト「UP花巻」に参画する、花巻市の県立花巻北高校(須川和紀校長、生徒688人)の生徒は、26日から3日間にわたり、空き缶を使った模擬人工衛星「CanSat」を活用したワークショップ(WS)を実施している。

 宇宙をテーマに花巻を盛り上げる合同会社「SPACE VALUE」と宇宙産業の総合商社「Space BD」が展開するプロジェクトの一環。

 模擬人工衛星を作製するという衛星開発の追体験を行うWSで、結果と原因について考える過程を通じて、チームワークや創造力、コミュニケーション能力、意思決定力を育もうと開かれた。

 生徒は4~5人のグループに分かれ、たこ糸で空き缶とパラシュートを結んだ模擬人工衛星「CanSat」を、地上10メートルの高所まで持ち上げ落下させる。重さなどで調整し落下目標時間は3秒、缶を直立させた状態で着地させ、缶に取り付けた風船を着地に合わせて割る技術などを競い合う。

 初日は全校生徒が模擬人工衛星を作製。3年生216人が40のグループに分かれ、試行錯誤を重ねて作製した模擬人工衛星のトライアル落下を行い、落下実験本番に臨んだ。

 着地に起き上がりこぼしの仕組みを採用したり、落下速度を調整するために発砲スチロールと金属ナットでバランスを取ったり、パラシュートの折り方を工夫したりと生徒たちは試行錯誤。佐藤涼乃さん(17)は「チームだと1人では思い付かないような突拍子のないアイデアも出る。難しいけれど面白い」と話し、トライアルを繰り返した。

 SPACE VALUEの安藤修一代表社員は、トライアルする生徒にフィードバッグを行い、「3秒の時間制限、缶を直立させる、風船を割る―には意外と考える要素が多い。体験を通じてものすごくいろいろなアイデア、発想が生まれ、それを繰り返すと創造力が生まれ、本当の力になる」と話していた。

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