一関・平泉

20年ぶり聖地で勝利へ 一関学院あす初戦 全国高校野球選手権大会

12年ぶり7度目の夏の甲子園出場を果たした一関学院。6日の初戦で京都国際と対戦する

 第104回全国高校野球選手権大会(6日開幕、兵庫県西宮市・阪神甲子園球場)に、本県代表として一関学院が出場する。12年ぶり7度目出場のチームは、伝統の堅守、安定した投手陣と、つなぎを徹底し着実に得点する打線ががっちりかみ合って岩手大会の頂点に立った。甲子園では初日の第3試合で京都府代表の京都国際(2年連続2度目出場)との対戦が決まり、20年ぶりの聖地での勝利へ選手の意気は上がる。

 一関学院は昨秋、今春の県大会はいずれも2回戦で敗退するなど結果が出なかったが、選手たちは日々練習を重ねて本番となる夏を迎えた。岩手大会では安定した戦いぶりを見せ、準々決勝は昨夏王者の盛岡大附を投打に圧倒する横綱相撲でコールド勝ちし、勢いに乗った。準決勝の盛岡一で雨中の激闘を制し、最速152キロ右腕を擁す盛岡中央との決勝では、中盤に同点とされたものの、好機にしっかりと勝ち越して12年ぶりの甲子園出場を決めた。

 投手陣は本格派右腕の寺尾皇汰、下手投げの小野涼介の2年生が軸。寺尾は外角低めに伸びる直球が最大の武器で、岩手大会決勝では同点とされた直後の四回からマウンドを託され、安定した投球で逆転を許さなかった。小野も制球良く打たせて取る投球で相手を翻弄(ほんろう)する。吉田将人(3年)、高澤奏大(1年)の左腕2人も含め、岩手大会ではわずか2失点と盤石な投手陣を誇る。

 堅守も健在。小杉晟(3年)と原田大和(2年)の二遊間は守備範囲が広く、俊足の中堅手菅野千陽(2年)、リードが光る捕手後藤叶翔(3年)と共にセンターラインは鉄壁だ。

 打線は3番小杉、4番後藤、5番小野唯斗(2年)の中軸は好機に強い。特に小野は好調で、岩手大会での打率は驚異の6割9厘。本塁打は後藤の3本を筆頭にチーム合計10本と長打力も発揮する。一方で、下位からでも得点できる切れ目のなさも持ち味だ。

 初戦の相手の京都国際は前回大会4強で、エース左腕森下瑠大(3年)が投打の大黒柱。一関学院は小松大樹主将(3年)が「守備からリズムをつくってつなぐ野球で打ち勝つ」と語るように、岩手大会決勝で全国屈指の好投手を攻略した打線の勝負強さを生かすため、序盤の失点を抑えて接戦に持ち込み勝機を見いだしたい。目標のベスト8達成に向け、強豪を撃破して勢いに乗りたいところだ。

一関学院登録メンバー

  氏名 学年 投打 出身中
①寺尾皇汰 2 右左 一関
②後藤叶翔 3 右右 高田一
③小松大樹 3 右左 花泉
④小杉 晟 3 右左 秋田・本荘東
⑤千葉周永 3 右左 宮城・西山
⑥原田大和 2 右右 川崎
⑦千田白琥 3 右左 和賀東
⑧菅野千陽 2 左左 宮城・郡山
⑨小野唯斗 2 右右 宮城・多賀城二
⑩及川圭吾 3 右左 滝沢南
⑪小野涼介 2 右右 宮城・南小泉
⑫小原翔吾 2 右右 宮城・宮城野
⑬工藤 緑 3 右右 西根
⑭村上海斗 2 右右 神奈川・南林間
⑮齋藤 晴 3 右左 宮城・七北田
⑯吉田将人 3 左左 矢巾
⑰大瀬開途 2 左左 大平
⑱高澤奏大 1 左左 宮城・岩沼
※丸数字は背番号

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