機器更新し運転再開 稲庭高原風力発電所 二戸
経年劣化に伴い運転を停止し、再開発を進めてきた稲庭高原風力発電所(二戸市浄法寺町)の工事が完了した。7月1日から運転を再開。旧風車を撤去し高効率の新風車1基を設け、年間の発電電力量は、旧施設から35%増の554万4000キロワット時となる。
同発電所は2001年9月、県営初の風力発電所として運転を開始した。風車3基を設け、最大出力は1980キロワット。経年劣化が進んだことから、機器一式を更新するため、20年2月に運転を停止して再開発工事に着手。今年6月に完了した。総事業費は約10億4500万円。
新たな風車は、高さ119メートル。最大出力は旧風車と同じだが、大型化したことで上空の強い風を捉えて発電することが可能になった。年間発電電力量は、一般家庭約1800世帯に相当する。
今月5日に現地で竣工(しゅんこう)式を行い、達増拓也知事をはじめとする県関係者、施工関係者らが出席。再生可能エネルギーを生み出す県内の貴重な拠点として、順調に稼働することを祈念した。
発電した電力は、固定価格買取制度(FIT)を活用し東北電力ネットワークに売電。約9000万円の年間収入を見込んでいる。