花巻

恒久平和誓い新た 市戦没者追悼・祈念式【花巻】

中央広場のモニュメント前で白菊を手向ける参列者

 花巻市戦没者追悼・平和祈念式は10日、同市松園町の日居城野運動公園中央広場で営まれた。遺族や来賓、中高生ら約90人が参列し、戦争犠牲者の冥福(めいふく)を祈り、恒久平和への誓いを新たにした。

 同日は77年前、市街地の家屋を焼き尽くし、多くの命が失われた花巻空襲があった日。中央広場のモニュメント「平和の扉」前で行われた式典では、参列者が静かに黙祷(もくとう)をささげ、白菊を手向けた。

 上田東一市長は式辞で「世界が恒久平和を願う中、ロシアによるウクライナ侵攻でこれ以上の犠牲を防ぐためにも一刻も早い終結を願わずにはいられない。二度と戦争が起こらないよう遺族とともに戦争の悲惨さや過酷さ、平和の尊さをこれからを生きる若い世代へ伝えていく」と述べた。

 藤原伸市議会議長、大和一信市遺族連合会長が追悼の言葉を述べ、不戦と恒久平和を誓ったほか、市内の高校全6校と中学校7校の生徒が千羽鶴を奉呈。県立花巻北高2年の村上春菜さんが同市の「非核平和都市宣言」を読み上げ、非核三原則の順守、全ての国の核兵器の廃絶と軍縮の推進を願った。

 参列した同市四日町の菊池巳代子さん(81)は広島市出身で、夫の父が硫黄島で戦死した。「広島に原爆が落とされたのは4歳の頃。広島の外れに住み、父も九死に一生を得て今の私がいる。戦後77年になるが、ウクライナでは戦争が起きている。ひとたび戦争になれば残酷なことは避けられない。平和の大切さを痛感している」と話していた。

 中高生が折った千羽鶴は花巻空襲を撮影した航空写真パネルとともに、13~18日に同市下小舟渡のイトーヨーカドー花巻店の市情報発信センターぷらっと花巻に展示する。

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