北上・西和賀

大名行列華やかに 3年ぶり開催 浮牛城まつり【北上】

住民に手を振る殿様役の伊東さん
姫役の佐藤さん。腰元のサポートで優雅に練り歩いた

 第16回浮牛城まつり(実行委主催、岩手日日新聞社など後援)は11日、北上市口内町で開かれた。メインイベントの大名行列をはじめ民俗芸能公演などが華やかに繰り広げられ、大勢の地区住民らで盛り上がりを見せた。

 地域おこしの一環で2007年に始まり、20、21年は新型コロナウイルスの影響で中止となり3年ぶりに開催。大名行列には地区住民を中心に、42人が出演した。新型コロナ対策を徹底した上で例年よりやや規模を縮小し、口内小周辺の約700メートルで行われた。

 幕末に、仙台詰めの藩主が仙台藩最北端だった領内視察入りした際の様子を再現。まつり立ち上げに尽力した元口内地区交流センター長の伊東弘進さん(87)が殿様役、姫役は地区内の会社員佐藤唯さん(24)が務めた。

 厳しい暑さの中、大名行列はのぼり旗を先頭に、ほら貝を合図に口内小を出発。「下に、下に」の掛け声に合わせ御鉄砲、御建弓、御徒(おかち)、馬に乗った家老らが所作にならって練り歩いた。沿道には地区住民らが見守り声援を送り、伊東さんらも笑顔で応えていた。

 口内小に到着後は出迎えの儀式もあり、伊東さんは口上で「異国渡来のはやり病にもかからず無事帰着でき一同、大義であった」とねぎらった。終了後、「天候にも恵まれ無事、再スタートを切ることができて良かった。来年、再来年も盛り上げていければ」とほっとした様子だった。

 佐藤さんは「大掛かりで多くの方々が関わるお祭りに参加でき、貴重な経験をさせてもらった」と充実した表情。23年度統合のため今年度で閉校する口内小校長、副校長も腰元役として姫をサポート。吉田由美校長は「厳かで本格的で、地域の情熱を感じた。子供たちの所作も上手だった」と目を細め、渡邊隆子副校長も「閉校の年に、記念すべき行事に参加できありがたい」と感謝した。

 餅まき、供養行事に続き民俗芸能公演では鬼剣舞や鹿踊(ししおどり)、神楽などが盛大に披露され、夜は打ち上げ花火で締めた。

 昆野淳一実行委員長は「口内にとって盆になくてはならないイベントで、3年ぶりに開催できたのは大きな意義がある。来年以降小学校がなくなっても、変わらずに取り組んでいきたい」と話した。

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