米国で10月物産展 奥州市の魅力発信へ 販路拡大、誘客促進
奥州市は、10月に米国サンフランシスコ市などで物産展を開催する。岩手銘醸の日本酒「奥州ノ龍」、前沢牛オガタの「前沢小形牛」の輸出が好調なことを受け、奥州市の魅力を発信し、物産品の販路拡大、インバウンド(訪日外国人旅行者)誘客促進を図るのが狙い。物産展(奥州市主催)と日系大型スーパーマーケット「ミツワマーケットプレイス」東北フェアでの物産販売、カリフォルニア北部日本文化会館(JCCCNC)による関連事業が計画されている。倉成淳市長は「今後当市の物産輸出促進を検討する中で、現地で受け入れられるか、そして顧客層がどれだけいるかを確かめたい」と話している。
米国での物産展は、サンフランシスコ市で日米の物産輸出入を行うスズキマーケティング社長の鈴木優子さん(57)=同市前沢出身=の協力により開催。鈴木さんは日本から酒類や前沢小形牛を輸入し、米国からはワインなどを輸出している。これまで培った人脈を基に現地での関係機関や企業との折衝を行うなどしている。
物産展はサンフランシスコ市内のジャパンタウン内で10月21~23日、日系大型スーパーマーケット「ミツワマーケットプレイス」では東北フェア(同21~31日)で奥州市の物産販売が行われる。物産展には南部鉄器や岩谷堂箪笥(たんす)の技術を使った小物、麺類、菓子、ご飯、日本酒などの12社60品目、東北フェアには8社18品目の出品を予定。
物産展初日は、業界関係者向け商談会と在サンフランシスコ総領事公邸レセプションが行われ、奥州市の食材を使った料理と、奥州ノ龍が振る舞われるという。10月22、23の両日はジャパンタウン内で日本の特産品を紹介するアンテナショップ「Japantenna(ジャパンテナ)」で一般消費者やメディア向けの物産展示、販売、試食販売、オンラインショップでの販売、わんこそば大会などが行われる。
物産展後、10月24日~11月30日にはジェトロサンフランシスコでオンライン個別商談会が開かれるという。
東北フェアは、同社主催でサンノゼ市サンノゼ店、ロサンゼルス市デル・アモ店で開催。奥州市とジャパンテナが後援。JCCCNCが9月17日に開催する「TABEMASHO」イベントには、水沢米菓、水沢鋳物工業組合が出展し、せんべいの実演販売、映像での説明販売などを行う。
今回コーディネートしている鈴木さんは「故郷の奥州市の物産が米国で広まり、輸出入が促進されることに期待している。成功のために尽力する」と話している。
倉成市長は「輸出を本格的にやるには三つのステップがある。一つ目は受け入れられるか、二つ目は顧客層が見えるか、三つ目は現地での販売・価格体系。全てが整った時点がスタート。今回の物産展で一つ目と二つ目の最初の部分になると思う。実際に輸出開始となればメーカー側が主体になるが、市はサポートしたい」との考えを示している。