奥州・金ケ崎

絵付け職人の歩み紹介 故工藤さん追悼作品展 砥部焼で活躍 水沢にゆかり 割烹・小万梅【奥州】

小万梅で開かれている「砥部焼・工藤省治 追悼作品展」

 奥州市水沢ゆかりの陶芸家工藤省治さん(1934~2020年)の作品を一堂に集めた「砥部(べ)焼・工藤省治 追悼作品展」は、同市水沢吉小路の割烹「小万梅」で開かれている。工藤さんは白磁器で知られる砥部焼(愛媛県)の梅野製陶所(梅山窯)で長年絵付け職人として活躍し、砥部焼の代表的なモチーフ唐草文などをつくり上げた「伝説の作家」。自ら立ち上げた春秋窯の作品、陶板、下絵、たびたび訪れていた水沢で描いた色紙絵などがぬくもりや安らぎを感じさせている。18日まで。

 工藤さんは青森県出身。営林署に勤務していた父親の仕事の関係で小学2年生から高校卒業まで水沢で過ごした。その後、画家を志して北海道や東京で絵画を学んでいたが、限界を感じてデザイナーの道を選択。陶芸に興味を持って全国各地の窯元を訪ねる中で、1957年に砥部焼の最大の窯元梅野製陶所に入り絵付け職人となって、60年余り陶芸の道を歩み続けた。

 絵付けの仕事をする中でろくろを回す職人との交流が深まり、陶工として修業を積み、春秋窯を立ち上げて数々の作品を作った。77年伝統工芸士認定、2004年に現代の名工、07年黄綬褒章受章、15年愛媛県無形文化財技術保持者認定。

 水沢高校在学中には、当時新制高校となったばかりで校歌がなかったため、卒業式で校歌を歌いたいと強く思い、福島県にいた詩人草野心平の自宅を訪ねて、校歌の制作を依頼して実現させたとの逸話も残る。高校の同級会には必ず出席して旧交を温め、同級生たちによって水沢で作品展が何度も開催されたという。

 今回の追悼作品展では、磁器や陶板といった陶芸作品、角皿、大皿の下絵など70点余りを展示。

 水沢を訪れた際に描いた色紙は、磁器のモチーフにもなっている「ざくろ文」や魚、竹、梅などをさらりとしたためた作品となっている。

 同割烹を営む佐藤一晶さんは、生前から親交があり「米寿の作品展をしましょう」と持ち掛けていたが、20年10月に急逝の報を受け、水沢にある作品を集めて「水沢では最後になるだろう」と追悼展を開くことを決めた。「作品をじっくりと見て生きざまを含めて工藤省治さんを感じてもらいたい。思い出話をしながら楽しんでもらえれば」と話している。

 時間は午前10時~午後5時。

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