直線と数列の美しさ 八丁土蔵・松尾さん作品展 バーコードをアートに【花巻】
盛岡市出身の松尾一男さん(76)の作品展「記憶と記録2022」は、花巻市東和町土沢の萬鉄五郎記念美術館「八丁土蔵ギャラリー」で開かれている。バーコードと数字であふれる作品が並び、来場者の関心を集めている。9月25日まで。
松尾さんは高校時代に美術家村上善男さんに師事し、現在も国内外で作品展を開催している。今回の展示には立体作品をはじめとした17点を出展した。
日本にバーコードが導入された頃から、強い興味を持っていたといい、「数列と線の模様の中に、多数の情報が入っていることに美を感じた」と振り返る。20代から商品のバーコードを切り取ってコレクションしており、それを材料として活用している。
A2サイズに拡大したバーコードを壁いっぱいに飾り付けた作品をはじめ、バーコードを貼り付けた球体、数列と線をかたどったレリーフなどが並び、不思議な世界観を構築している。
松尾さんは「バーコードをアートとして取り入れている人はほとんどいないと思う。(バーコードが)なければ経済が成り立たないのに、多くの人はその仕組みをよく分かっていない。それなのに世界中にあふれている。そこに強い魅力を感じる」と語る。
時間は午前9時~午後4時30分。入場無料。月曜休館。問い合わせは同ギャラリー=0198(42)4402=へ。