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燃え盛る炎に先祖への思い 3年ぶり舟っこ流し 盛岡

3年ぶりに行われた舟っこ流しで炎に包まれる舟

 盛岡市の指定無形民俗文化財で伝統の送り盆行事「盛岡舟っこ流し」(同協賛会主催)は20日、北上川に架かる市内の明治橋上流右岸で3年ぶりに行われた。訪れた人たちは赤々と燃え上がる炎に包まれる舟を見詰め、先祖慰霊の思いを託した。

 新型コロナウイルスの影響で2020、21年は中止。今年は当初16日の実施予定が大雨による川の増水で延期されていた。

 20日は法要を終えた後、北上川両岸に位置する仙北町、南大通などの地区や団体など8団体から8そうの舟が同川に繰り出し、次々と火が放たれた。

 舟には、亡くなった人たちが極楽に昇ってほしいとの願いを込めてへさきに竜の造形物が据え付けてあるほか、ちょうちんや造花、経文を記した短冊など色とりどりの装飾が施され、訪れた人たちは舟から燃え上がる炎を見物しながら行く夏を惜しんだ。

 新型コロナの影響で5団体が参加を辞退したため例年より規模が縮小。感染対策として舟の担ぎ手たちは距離を取った。

 同協賛会の佐藤修会長(76)は「大雨による増水で一時は開催が危ぶまれたが、3年ぶりに行事を行うことができてうれしい。伝統行事なので途切れることなく続けていきたい」と話している。

 およそ300年前に盛岡藩4代藩主・南部行信の七女・麻久子姫が、川で溺れ死んだ人の霊を供養する大法事を営んだのが起源とされている。

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