奥州・金ケ崎

郷土の誇り詠む 阿部さん(水沢高3年)最優秀 個人賞で東北初 俳句甲子園【奥州】

俳句甲子園の個人賞で最優秀賞に輝いた水沢高の阿部さん

 県立水沢高校の阿部なつみさん(3年)は、20、21の両日に松山市で開かれた第25回俳句甲子園の個人賞で最優秀賞(文部科学大臣賞)に輝いた。受賞句は「草いきれ吸って私は鬼の裔(すえ)」で、東北地方の生徒が個人最上位の同賞をつかんだのは初めて。阿部さんは日本一の達成感をかみしめ、残り少ない部活動での句作に一層の情熱を燃やしている。

 俳句甲子園(全国高校俳句選手権大会、実行委主催)は、創作を通じて高校生の豊かな人間性を育もうと毎年開催。競技は団体が主で、句作とそれについてのディベート(討論)で創作力・鑑賞力を競い合った。水沢は阿部さんら5人で本県の地方大会を突破し、全国大会に進んだ。

 個人賞は、団体の成績に関係なく全国大会のため詠まれた全1280句が審査対象となった。阿部さんは受賞句で以前から題材にしたかった「鬼の末裔(まつえい)」を表現。歴史の授業で古代の東北に住んだ蝦夷に教諭の話が及び、「東北の民は鬼の末裔」との言葉に強い印象を受けたという。古里の草の熱気と共に、鬼とも言われ朝廷の侵略を受けながら東北を守った先人の歴史も吸い込むような思いで、郷土の誇りを句に込めた。

 表彰式で審査員の一人、高野ムツオさん(小熊座主宰)は「古代から連なる血筋の人間として生きていく思いを草から授かっている」などと講評。阿部さんは「詠みたかったことが全て伝わりうれしい」と充実した表情を見せた。

 兼題に基づき予選トーナメントのため用意した句だが、水沢はその前段の予選リーグが2勝1敗で上位進出がかなわなかった。全国大会のため詠んだ8句の中でも難産で、所属する文芸・短詩部のコーチ鎌倉道彦さんと、同部卒業生で助言をくれた及川真梨子さんには特に感謝しているという。

 出身の前沢地域では小中学生に向けた紙上俳句大会が長年開かれ、「五七五のリズムで表現するのが楽しい」と親しんできた阿部さん。高校から本格的に取り組んでたどり着いた日本一を「短詩部の部長として自信は付いた。これからも初心を忘れず頑張りたい」と受け止めている。卒業が近づく中、「ここまで続けたいと思ったものは初めてなので、俳句に取り組む時間を大事にしていきたい」と語った。

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