濃淡引き立つ力作 パル・墨舟会水墨画展【北上】
第4回墨舟会北上水墨画展は26日、北上市北鬼柳の江釣子ショッピングセンターパルで始まった。風景や植物などを白と黒の濃淡で引き立てた作品が、来場者を魅了している。28日まで。
NHK文化センター北上教室の受講生7人と、講師を務める昆野墨舟(本名スミ子)会長(82)の作品合わせて24点を展示。山河や渓流、港町、極寒の氷柱、古民家、古井戸などの風景のほかミズバショウ、ヒマワリ、ブナ、ツルなどを題材とした多様な作品が並んだ。
中でも昆野会長が2021年度、日中水墨画合同展で大賞に次ぐ内閣総理大臣賞を受賞した「曙光」は早朝に木々の間から届く光を、黒い影と併せた濃淡で強調。来場者の目をひときわ引いている。
受講生がミズバショウを描いた「春の使者」はバックの山々が奥行きを感じさせ、他の作品も濃淡で遠近感も含めて表現。来場者は「白と黒だけで表しているのは見事」「一発勝負で仕上げるのはすごい」と感心していた。花や山、風鈴などを自由に描いたうちわ14点も出展している。
昆野会長は「みんな上達し、見応えのある作品がそろった。黒の中にも色がある。作風も多様化し、なじみやすくなったのでぜひ見ていただきたい」と来場を呼び掛けている。
展示は午前10時~午後5時(最終日は4時)。入場無料。