3事業者を採択 北上市、新事業創出支援 100万円交付
北上市は、2022年度の新事業創出支援補助金に市内の3事業者を採択した。いずれも市から100万円の交付を受け、市内で新規事業を展開する。
採択されたのは、イタリアンジェラートを製造販売するknockeyelash(ノック・アイラッシュ)合同会社(大通り、伊藤優香理代表社員)、海外物古着などを販売するACHIDHOUSE(アシッドハウス、本石町、菊池亮太郎代表)、高齢者向けウェルネスリボン教室を開講予定の村岡葉子さん(35)=和賀町岩崎=。3者の関係者4人が30日、市役所を訪れ、髙橋敏彦市長に事業内容を説明した。
ノック・アイラッシュは8月初旬、中野町にイタリアンジェラートの専門店をオープン。本場イタリアから製造マシンを導入し、湯田牛乳公社の牛乳を使って、ふんわりとした口溶けの多様な味のジェラートを提供している。伊藤代表社員(34)と総務、財務などを担当する夫の康輔さん(48)は「これから市内、県内の食材を使い、素材の味を生かしたジェラートを作っていきたい」と抱負を語る。
アシッドハウスは6月下旬、本石町に開店。菊池代表(39)は東京都内の服飾関係2社に勤務し、故郷北上で独立した。欧州、米国の古着を中心に、世界的にもレアな有名バンド、人気映画などビンテージのTシャツなども扱い、高校生らも数多く来店する。今後、オリジナル商品を開発する意向で「商店街に人が歩いていない中、おしゃれな店があっていい。エンターテインメントのある店にしたい」と意気込む。
村岡さんはさいたま市出身。プロ野球楽天イーグルスの公式チアリーダーを務めた後、北上市の地域おこし協力隊員の自転車ツアー参加を機に20年に移住。現在は市体育協会の委託を受けヨガとリハビリのプログラムを提供し、9月以降は新体操のリボンを使いシニア向けの教室を開く。「人生100年時代。シニア世代にも楽しんで運動してもらい健康を自己実現し、生きがいを持ってもらえたら」と思い描く。
髙橋市長は「北上の商圏は近隣含めて30、40万人ある。浮き浮き、わくわくしながらチャレンジをしてほしい」と期待した。
同補助金は16年度創設。今年度は5件の応募があり、外部委員や市商工部、農林部による審査で3件を採択した。16~22年度の採択総数は29件。店舗開店や拡張、新商品・技術の開発、農業分野のIT活用などに幅広く活用された。