奥州・金ケ崎

地区振興へ空き家活用 シェア店舗あすオープン Life BASE 六原【金ケ崎】

3日にオープンする金ケ崎町初のシェア店舗「Life BASE」と及川さん
屋内には客席や厨房を備え、希望者が多様な用途で借りることができる

 金ケ崎町六原前穴持に3日、同町初のシェア店舗「Life BASE」がオープンする。出店のほか、会議やイベント、パーティーなど希望者に貸し出す。現地の六原・二日町地区に多い空き家を解消し、地区そのものを振興するエリアリノベーションの取り組みの第一歩として、多くの人が集まり、つながりを育む業態を選択。整備の中心になった地元出身の町地域おこし協力隊及川俊哉さん(21)は「一人でも多くの人に楽しい思い出をつくり、笑顔になってほしい」と精力的な運営を期している。

 店舗は木造平屋建てで、県立農業大学校の桜並木前に位置。厨房(ちゅうぼう)と客席、事務所が主な設備で、飲食店営業の許可を得ている。午前~夕方、夜など時間を区切って貸し出す。曜日・時間固定、単発の予約とも既に引き合いがあるという。

 及川さんは2021年10月に同隊に就任した。活動の要件は二日町のエリアリノベーションで、同店舗は活動と事業の拠点として、空き家となっていた築85年の住宅を借り受け、同11月から整備を進めてきた。

 整備から運営まで一貫して重視したのは、多くの人が関われる方法と業態。整備に関わった人、シェア利用者らを店舗を基点につなげる仕掛けで、「建物をみんなで作り、守ることは町を支える気持ちにも通じる」と意図を語る。

 母校・水沢工業高校の同級生や住民、イベントを通して整備に携わった子供たちなど実際に多くの手を借りた。活動のため資金を募ったクラウドファンディングも協力の形と捉えている。

 シェア店舗は当初からの構想だが、準備を通し多くの人と関われたからこそ、予想していた若者だけでなく幅広い年齢層の「店を出したい」「物を売りたい」などの需要を実感できたとし、「思いが詰まった建物に自信がある。自分にとっても大きな一歩」と胸を張る。

 設備や用途を含めた改修も続けていく考えで、「桜並木やホタルなど季節の風景を生かせれば、店舗、地区の価値も上がるはず」と構想の一端を語った。

 初日はオープンイベントを開催。昼の部は午前10時~午後3時に、出店希望者による菓子やパンなどの販売と町内の小学生によるちびっこ屋台が出店する。夜の部は午後5~8時に及川さんら同町の若者が屋台で料理などを提供する。

 問い合わせは及川さん=080(9395)8964=へ。

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