花巻
西洋の響き意識を 花巻中吹奏楽部指導 山形交響楽団井上さん １９日に共演
１９日に花巻市で開かれる山形交響楽団のフレンドリーコンサート花巻公演を前に、同楽団首席トランペットの井上直樹さんが１日、市立花巻中学校を訪れ、共演する同校吹奏楽部の生徒に指導を行った。井上さんのアドバイスに生徒たちは緊張しながらも熱心に耳を傾け、繰り返し練習に励んだ。
共演するのは、ヴェルディの歌劇「アイーダ」より凱旋行進曲。勇壮かつ華やかで曲中に出てくるトランペットのフレーズは誰もが一度は耳にしたことがある有名曲だ。
吹奏楽部員２６人が参加し、約２時間にわたって指導を受けた。
井上さんは、西洋の鐘の音がカーンと聞こえるのに対し、東洋の鐘はゴーンと聞こえる例えを上げ、作曲家が生きていた西洋の響きを意識するようアドバイスしたり、場面や雰囲気、色、香りなどを想像することでさまざまな音のニュアンスをつくり出せたりと、楽譜には記されていない要素や情報を分かりやすく指導した。
部長で同校３年の田村渚々花さん（１５）は「実際にプロの演奏を交えて練習することで、一つ一つの音のニュアンスや場面の変化というものを感じた」と感激した様子。「プロのオーケストラとの共演は一生に一度あるかないかの貴重な機会。聴きに来てくれるお客様に私たちの音楽を届けたい」と語った。
井上さんは「基礎力が高い生徒たち。楽譜を演奏するのではなく楽譜から伝えることを覚えると１０倍も２０倍も（演奏が）楽しくなる」と、本番を前に生徒たちにエールを送った。
コンサートは市文化会館で、１９日午後２時開場、３時開演。全席指定で一般３０００円、小中校生１０００円。問い合わせは、同館＝０１９８（２４）６５１１＝へ。
