情趣に富む枯山水 石鳥谷中中庭 花巻農高生が制作
県立花巻農業高校(小船光浩校長)の生徒は2日、花巻市立石鳥谷中学校に日本庭園を制作した。後輩たちの健やかな成長を願い、額に汗を浮かべて石を運んだり、白砂をならしたりして完成させた「枯山水」で、学校生活を送る生徒たちの心を和ませそうだ。
制作したのは同校環境科学科2年の緑化系列を選択する生徒15人。石鳥谷中の元教諭から中庭のリメークの相談を受けたのがきっかけで、庭園制作実習を校外で実践することで学んだ知識や技術を深め、社会に役立てようと挑戦した。
挑戦したのは、水のない庭に石や白砂を用いて水の流れを表現した日本庭園の枯山水。子供の健やかな成長へ願いを込め、15の石を七、五、三と配置させる「七五三石組」で事前に測量、設計し、一石ずつ石を選んで石組みを決めてから本番に臨んだ。
石組みの周囲に敷かれた白砂に水の流れを表現する砂紋を描いた川村浩太さん(16)は「重たい石を持って歩いたりしゃがんだりと思った以上に大変な作業だったが、(石鳥谷中の生徒が)庭を見てきょうも一日元気に乗り切ろうという気持ちになってくれるとうれしい」と晴れやかな表情を見せた。石鳥谷中の三浦信之副校長は「素晴らしい出来栄え。趣のあるに庭になって良かった」と感謝した。