新平の業績、人間性追求 来年公演・市民劇 結団式で再始動【奥州】
新型コロナウイルスの影響で2度延期された奥州市民劇「新平さんの大風呂敷」は2023年2月11、12の両日、同市水沢の市文化会館(Zホール)で開かれる。公演に向けた結団式・台本読み合わせが4日、Zホールで行われ、スタッフ、キャスト約60人が参加して稽古が本格的に再スタートした。先人後藤新平の生涯を2幕の演劇で描く作品。総合プロデューサーを務める高橋瑛子さん(同市水沢)は「見に来る人たちは期待している。技術的に高度な要求をすることになるが、努力して期待に応えられる舞台にしたい」と抱負を語っている。
同市民劇は市文化振興財団設立30周年・市文化会館開館30周年記念事業として開催。市民劇としては郷土の先人顕彰第4弾となるもので、当初は20年12月に予定していた。コロナ禍で22年3月に延期したものの、稽古が進む中、大詰めの今年2月にZホールが休館となり中止。改めて来年2月の開催を決定した。
今年2月に予定していた公演と大きな変更はなく、140人ほどで舞台をつくっていく考え。主要キャスト、スタッフの変更はないが、改めて「新」「真」「進」などの意味を込めて4日は「シン結団式」として意気を上げた。
式後には台本読み合わせが行われ、1幕、2幕を通して台本を読み、参加者がそれぞれの役割や流れを確認した。
脚本・演出の渡部明さん(同市水沢)は「コロナで3年間延期され、やっと上演できる。後藤の業績や人間性を深く追求しているが、準備期間が長く取れたと考えることもできる」とし、「台本はあくまで活字。そこから理解を深めて血を通わせ、肉をつくることで、全員がその人物になって舞台に上がってくれることに期待している」と話す。
高橋さんは「三度目の正直の舞台。この舞台には後藤の一生を明確に見せる責任がある。限られた中で説明不足にならないためには、せりふ回しは技術的に高度になる。見に来る人たちは期待している。おのおのが努力して応えてほしい」とスタッフ、キャストに呼び掛ける。
同公演の前売り券は、感染対策として大ホール収容人数の半分となる750席を販売。前回販売分も利用可能のため、残りの席の分は11月上旬に発売される。
