経済事情問わず学びを 2教科1対1で指導 小中高生に無料塾 青少年未来プロジェクト【奥州】
奥州市江刺のNPO法人青少年未来プロジェクトは、小学生から高校生までを対象に「おうしゅう無料塾」を市内で開設している。算数・数学と国語の2教科について、1対1で無償指導。菅原正堯理事長(39)は「家庭の経済事情などに左右されない広い間口を設けた。学校教育を補って学習を最効率化し、できた時間を子供たちが好きなことに振り向けてほしい」と話している。
指導する場所や時間・期間、内容は、受講する子供のプライベートを守れるよう相談に応じて設定。時間は下校後の夕方~夜が中心で、学校の長期休暇期間は日中も対応できる。
原則として指導に応じる2教科は、民業圧迫を避けつつ効果が大きいとして選択した。算数・数学は分からないまま授業や学年が進むとストレスや取り戻すための負担が大きく、国語は基礎固めが肝要。ともに行き詰まりを感じた段階での対応が必要という。
菅原理事長の本業は、10年以上続けている「家庭教師のすがわら」。さまざまな事情を抱える保護者や子供たちと接し、家庭の経済力が教育や進路に及ぼす格差や、家庭や学校以外の居場所の必要性など、課題を痛感してきた。江刺青年会議所にも所属し、活動を通してつながりを育んだ教育関係者からは現場の疲弊を感じ取った。これらの改善を目指し、7月に無料塾を始めた。
同法人は4月に設立し、公益事業の柱は▽青少年の学習支援▽キャリア教育▽まちづくりへの参画。無料塾を含む「青少年の学習支援」はこの第一段階で、学習の効率化は、もともと子供たちが興味を持っているものに注力する、新たに関心をかき立てるものに出合う機会を広げることにつながり、生涯を展望する余力も生まれると見込む。
菅原理事長は「部活動の地域移行が進められている中、無料塾では地域教育として学校の手伝いをしたい。教育に費やす可処分所得の割合を下げたい」としている。問い合わせは菅原理事長=080(1838)4063=へ。