宇宙の不思議 興味津々 VLBI観測所本間所長 水沢南小で出前授業【奥州】
国立天文台水沢・奥州市連携出前授業「キラリ☆奥州市天文教室」が6日、奥州市の水沢南小学校(菅原文彦校長、児童657人)で開かれた。同日は水沢VLBI観測所の本間希樹所長(50)が講師を務め、天文学やブラックホール研究について講話。児童たちは学校の近くにある天文台で行われている研究に興味津々の様子で聞き入った。
同教室は国立天文台の意義を市内の小中学生に伝え、宇宙や天文学への関心を高めてもらおうと2016年度から開いている。22年度は6校で開催を予定している。
同日は5年生107人を対象に「ブラックホールって何だろう?」と題して授業が行われ、「面白そうなことを見つけてほしい」と冒頭で呼び掛けた本間所長は「天文学者とは」「研究者とは」「VLBIとは」「ブラックホール撮影」といった項目ごとに分かりやすく解説した。
ブラックホール撮影でも活躍したVLBIの技術について「望遠鏡を組み合わせてセットで動かすと大きな望遠鏡ができる。大きくすると視力が上がる」と説明。VERA、KAVA、EAVN、EHTなど同観測所を含めたプロジェクトを紹介し、「VERAは視力10万、ブラックホールを撮影したEHTは視力300万。視力測定の『1・0』を10万分の1、300万分の1にしても見えるということ」と話した。
最後に「職業を選ぶのはまだ先なので慌てずに」「好きなことを見つけよう。複数がいい」「いろいろ挑戦してみよう」「失敗を前向きに捉える力を付けよう」と児童に向けてメッセージを送った。
授業に参加した尾川陸翔君(10)は「ブラックホールは何でも吸い込むことが分かって驚いた。星に興味がある。研究や調査をするのも面白そうだし、宇宙飛行士なども良いなと思った」、小原穂乃華さん(10)は「ブラックホールが銀河の真ん中にあるのが不思議。こういう授業は初めてだけど、もっと勉強してみたいと感じた」とそれぞれ語った。