名称「しらゆり」に 来年2月新住所適用 北上市 町分18地割地内北側
北上市は、大規模な宅地分譲が進められている町分18地割地内の北側の名称を「しらゆり」とする方針だ。住民の意向を踏まえ、新興住宅地にふさわしい新しいイメージの名称に変更。最終的には210世帯が対象となる見込み。市議会9月通常会議で関係条例案の議決を経て、2023年2月に新住所が適用される。
市中心部で国道4号西側の町分18地割では、北側で20年9月から大規模な宅地分譲に向けた造成が進んでいる。新興住宅建設で住所の地番の順序がバラバラになり、目的の住所にたどり着けないなど不具合も発生。住所が順序よく並び目的地を見つけやすくできるよう、街区が整理された「住居表示方式」とし、区域と名称ともに変更することとした。
「しらゆり」となるのは、市道山田広表線北側の約9ヘクタール。市は住民の意向を踏まえ、既存の住宅や事業所などが多い同路線南側はそのままとする。
地域から採用したい名称を挙げてもらい6月、既存と新規の住民25人が参加して意見集約。「新しい住宅街であり、既存の町名ではなく新しいイメージを取り入れたい」と市の花に指定され、発展を象徴する「しらゆり」を希望する意見があり、多くの賛同を得た。
市は住居表示の実施基準に基づき同一、類似の名称が市内にないことを確認。「さくら通り」で市の木である桜を採用した実績もあり、平仮名標記で読みやすいことから適当と判断した。
北側で造成前から住んでいたのは20世帯ほどだったが、現時点で造成済みの分譲地に約30世帯が居住。造成を既に終えている工区も多く、残る工区も23年3月に完了を予定。着工済みの住宅もあり、最終的には分譲地に190世帯が住むと予測されている。住民は住所変更手続きが発生することになり、影響が大きくならないよう分譲完了前に住所変更する。
市議会で議決後、市は10月に住所変更手続きに関する住民説明会を開催。12月に新住所が告示され、来年2月1日に新住所が導入される。市都市整備部は「住民にも住居表示の必要性を理解いただき、議会の議決を経て変更の手続きを進めていく。新たな『しらゆり』の名称が住民に愛され、一体感のある地域づくりを進めていただければ」と期待している。