生育順調 秋の味どうぞ 販売額7500万円目標に 二子さといも出荷開始【北上】
北上市特産の2022年産「二子さといも」の出荷が7日、始まった。今年も味わい深い秋の味覚が、県内を中心に関東圏などの各家庭に届けられる。
二子町を中心に市内各地で栽培されている二子さといもは約300年にわたり守り伝えられ、全国的に珍しい赤茎の品種。強い粘り気と柔らかさ、滑らかさが大きな特長。18年には県内4例目、野菜では初の地理的表示(GI)保護制度の登録を受けた。
今年は5月に定植後、低温で生育が遅れたが、そのの後の好天で回復。8月は降雨量が多く水分を十分得て、生産者の栽培努力もあり生育もおおむね順調。同月下旬の作柄調査では子イモの個数もあり、今後肥大が期待されるという。
同市二子町のJAいわて花巻北上地域二子さといも選果場で初出荷式が行われ、市や県、同JA、市場関係者、生産者ら約30人が出席した。同JA北上地域野菜部会長の高橋豊さといも専門部長は「草丈が大きく伸び、病害虫もなく順調に育っている。生産者は愛情を込めて出荷しており、引き続き栽培振興に力添えを」とあいさつ。同JAの伊藤清孝組合長も「二子さといもはコクがありまろやか。今年も相応に育っている。ぜひご賞味いただき、高値取引をお願いしたい」とPRした。
高橋部長、伊藤組合長、髙橋敏彦市長、市場関係者らがテープカットし、リンゴジュースで乾杯。初日は770キロが出荷された。
今年の栽培面積は18ヘクタール、生産農家は80戸。高齢化で減少傾向だが、勉強会などで栽培ノウハウの共有、作業効率化を図っている。
21年に導入された選果機がフル稼働し、出荷は今月中旬以降に最盛期を迎えそうだ。主な出荷は11月まで。
昨年は130トンを出荷し、販売額は約5000万円。ほぼ前年並みだった。今年は贈答品販売をはじめ県内市場、地元飲食店、加工業者と連携し販促活動に力に入れ、6月に東京で開催された輸出エキスポでもPR。昨年を大幅に上回る出荷量182トン、販売額7500万円を目指す。
