北上・西和賀

水害から命を守る 北上、西和賀 消防団員ら水防工法を実践訓練

杭打ち積み土のう工法などに取り組む参加者

 北上川上流北上地区合同水防演習は11日、北上市下江釣子の和賀川グリーンパークで行われた。同市と西和賀町の消防団員ら約400人が参加。大雨による河川氾濫や堤防崩壊などの水害を想定し、実践的な水防工法などを繰り広げた。

 開会式で統監の髙橋敏彦市長は「いつ災害が起きるかは想定できず、日ごろからしっかり準備しておく必要がある。訓練の成果を発揮し、きょうの演習の成果を次に生かす一日にしてほしい。市民、町民の命を守る意識は高いと思うが、皆さん方の命も大切にしてこれからの活動につなげてほしい」と告辞した。

 演習は、非常に強い台風による県内全域の大雨で北上川の和賀川合流地点下流、男山水位観測所で氾濫注意水位を超え、北上川上流に洪水警報が発令されたなどの想定で行われ、災害対策本部設置訓練や非常配備指令などを進めた。

 水防訓練では、のり面崩壊の進行を防止する「杭打ち積み土のう工法」や、土のうを半月状に積み上げて堤防内部の土砂流出による決壊を防ぐ「月の輪工法」、シートでのり面を直接保護する洗掘対策の「シート張り工法」などが行われ、参加者は声を掛け合いながらきびきびとした動作で取り組んだ。

 水防関係者の士気高揚や技術向上、連携強化などを狙いとする水防演習は、盛岡、花巻、北上、胆江、両磐の北上川流域5地区の持ち回りで毎年行われていたが、新型コロナウイルスにより2年連続で中止となり3年ぶりの実施となった。

 北上地区で行われるのは2014年以来となり、両市町と北上地区消防組合、岩手河川国道事務所、県で組織する実行委員会が主催。コロナ対策として自主防災組織の参加を取りやめるなど規模を縮小した。 

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