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市街地に絢爛山車 盛岡秋まつり 3年ぶり運行

3年ぶりに行われた盛岡秋まつりの山車運行。笛や太鼓、引き手の掛け声が市街地に響き渡った

 城下町・盛岡市に秋の訪れを告げる伝統の盛岡秋まつりの山車運行が14日、市内で3年ぶりに行われた。新型コロナウイルスなどの影響で規模を縮小して開催。秋晴れの下、豪華絢爛(けんらん)な山車2台が市街地を練り歩き、にぎやかな祭りばやしを響かせた。

 山車運行は新型コロナ感染拡大のため2020年から2年連続で中止された。山車はこれまで消防団を中心とする地域ごとに8台前後作られてきたが、コロナ禍で地域での製作も難しくなり、今年は盛岡山車推進会と南部火消伝統保存会の2台だけが参加。運行期間も通常14~16日の3日間から1日のみに短縮された。

 山車は、歴史上の人物や歌舞伎の名場面、伝説などが題材となっている。2台は市内中心部を巡ったほか、盛岡八幡宮から八幡町の通りをパレードした。

 このうち同推進会の山車は、表側が牛若丸と弁慶が出会う「五条大橋」、見返しには「一寸法師」を表現。大勢の人が息を合わせて山車を引き、笛や太鼓の音と子供らの「ヤーレ、ヤーレ」の掛け声が街中に響いた。沿道で待ち構えた見物客は写真や動画を撮るなどして楽しんだ。

 同推進会会員の八幡祐治さん(45)は「久しぶりに山車運行ができたことがうれしい」と顔をほころばせ、「来年こそは多くの山車が参加することを祈りたい」と期待を込めた。見物に訪れた市内の会社員坊屋鋪智子さん(40)は「きれいな山車を見ることができ、秋の訪れを感じた」と、長女風花ちゃん(2)と見入っていた。

 盛岡秋まつりは、300年余り前の1709(宝永6)年、南部盛岡藩の町づくり完成を祝って始まったとされる盛岡八幡宮の例大祭で、山車行事は盛岡市の無形民俗文化財に指定されている。

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