銀河のしずく 実り手応え 知事、刈り取り作業【花巻】
達増拓也知事による県オリジナル水稲品種「銀河のしずく」の稲刈りは14日、花巻市鍋倉字下沢田の圃場(ほじょう)で行われ、初秋の青空の下、最新鋭のコンバインを操作し、実った黄金色の稲穂を刈り取った。
生産者の意欲向上とブランド米としてのPRを目的に、スマート農業の実践を兼ねて、JAいわて花巻花巻地域「銀河のしずく」栽培研究会、同JA、県南広域振興局が主催。農事組合法人なべくら(高橋雅裕代表理事)の約30アールの圃場で行われた。
2022年産は、6月上旬の低温、日照不足による初期生育の遅れ、8月中旬の降雨と曇天続きにより栽培管理が難しい年となった。同研究会の川村茂樹会長(45)は「出穂後も日照不足が続き、収穫適期の判断が難しいが、仲間と共にスマート農業を取り入れ、おいしい銀河のしずくを生産するために栽培技術の向上に取り組んできた」と述べた。
同法人は、市内でも先駆けて銀河のしずくの生産に取り組み、自動運転田植え機や食味・収量コンバインなどスマート農業を積極的に取り入れた生産活動を展開している。
稲刈りを終えた達増知事は「かわいらしい苗が黄金色に実る稲になり、よくここまで育ってくれたと感動している。例年と違う天気があったが、手入れの行き届いた圃場の大地の力、生産者の研鑚(けんさん)の力が加わって立派な実りになった」とたたえ、「銀河のしずくを先頭に米のブランド力で本県農業のブランドイメージを引き上げ、生産者の努力が報われるような岩手の農業生産を進める」と述べた。
県中地区の銀河のしずくは、日本穀物検定協会の21年産米食味ランキングで4年連続で最高評価の「特A」を獲得するなど評価が高まっている。今年産は県内で前年の1・4倍に当たる約2500ヘクタールで栽培され、約1万2500トンの収量が見込まれている。