県内外

農村活性化方策は 基調講演や事例報告 盛岡でセミナー

参加者が農村の活性化について考えた県主催のセミナー

 県主催の「いわて農村コミュニティ活性化セミナー」は15日、盛岡市内のホテルで開かれ、参加者が基調講演や事例報告などを通じ、地域活性化や多様なスタイルでの暮らし方など活力ある農村の実現に向けた方策について考えた。

 農村の活性化に向け、県内の先進的な事例の紹介を通じて情報を共有し、地域活動に役立ててもらおうと開催された。

 農業関係者や県、市町村などから約70人が参加。あいさつで県農林水産部の千葉和彦技監は「本県の8割を占める中山間地域は、県土の保全や伝統文化の継承など多面的な機能を持ち、県民生活にとって重要な役割を担っている。セミナーを地域での取り組みを発展させるきっかけにし、中山間地域の活性化が一層図られるように」と期待した。

 引き続き、県立大総合政策学部の吉野英岐教授が「地域の強みを生かした農村の活性化の進め方」と題して基調講演したほか、北股地区センター(奥州市)の高橋進事務長と五葉地域づくり委員会(住田町)の藤井洋治会長が地域の活動事例を紹介。事例発表者2人と県立大の学生2人らが「人が集う地域づくりを考える」をテーマに、パネルディスカッションした。

 講演の中で吉野教授は地域の強みを再点検し、年中行事や郷土芸能に焦点を当て魅力づくりに取り組む県内の事例を紹介。地域住民のエネルギーをつくり出すために、伝統的な芸能や文化をトレーニングする生活創造活動拠点の整備が必要だと指摘した。

 地域活力の維持・向上に向けた人材確保については「芸能の担い手の中にはU・Iターン者がかなり入っている。自身にとってUターンが正しい選択だったと思うことができる環境を地域の中でつくっておくことが可能性を高める。地域との接点をつなぎ止めておくような場面を繰り返しやれる地域かどうかが重要だ」とアドバイスした。

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