幻想的竹あかり 銀河鉄道の夜イメージ プロジェクト「みんなの想火」【花巻】
「自分たちのまちは、自分たちで灯(とも)す」を合言葉に日本各地で竹あかりをともすプロジェクト「みんなの想火(そうか)」は18日、花巻市吹張町の花巻中央広場で開かれ、市民や通り掛かった人の目を楽しませた。
竹あかりを点灯したのは、サウンドエンジニアとしてライブイベントの音響などを手掛ける、同市石鳥谷町北寺林の会社役員髙橋堅太さん(32)。地域を盛り上げたいとプロジェクトに応募した。
知人から譲り受けた地元産の竹を加工して竹あかりを制作。友人や同級生の協力を得て、同市愛宕町にある光る壁画「未来都市銀河地球鉄道」をモチーフに、賢治の銀河鉄道の夜をイメージしたデザインが施された竹あかりに、発光ダイオード(LED)ライトをともした。
ライトが点灯されると、穴から漏れた光で周囲は幻想的な雰囲気に包まれ、集まった市民らが写真を撮ったり、ベンチに座って眺めたりと思い思いに過ごした。さいたま市から帰省した会社員女性(29)は「竹あかりの光に音楽が流れ、良い雰囲気ですね」と子供たちと一緒に楽しんでいた。
髙橋さんは8月に14年ぶりにUターン。「感動をつくる仕事をしているので、それを地元に還元したいと思って企画した。多くの人に楽しんでもらえてうれしい。コロナ禍で改めて人が集まり、コミュニケーションを取ることの大切さを感じている。今後もイベントを続けたい」と話した。
「みんなの想火」は2020年に始まり、各都道府県に「47サムライ」と呼ばれるリーダーを置き、竹あかりをともすことで世界へ希望のメッセージを伝えるプロジェクト。3年目の今年は、9月18日の「世界竹の日」に国内の69カ所、世界の50カ所で点灯された。